肝煎り[語句情報] » 肝煎り

「肝煎り〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肝煎りの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
吉良上野の立場」より 著者:菊池寛
っていた。 「第一、近頃の世の中はあまり贅沢になりすぎている。今度の役にしても、肝煎りの吉良に例の付届をせずばなるまいが、これも年々額が殖えていくらしい」 「い....
蘭学事始」より 著者:菊池寛
くるのを見ると、いつになく丁寧に会釈した。 「杉田氏! 昨夜は、貴所《きしょ》の肝煎りで使いを下さったそうで、ありがたく存じおる。お陰で、かような会いがたき企て....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
駅人馬の継立ても繁雑をきわめると言われたころだ。街道付近の村々からは人足差配方の肝煎りが日々両三名ずつ問屋場へ詰め、お定めの人馬二十五人二十五匹以外の不足は全部....
世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
うことにはならぬ。一体従来対立していた連合通信社と電通とは外務省・軍部・其の他の肝煎りで三六年に這入ってから、合併して同盟通信となったのだから、日本の通信社は単....
社会時評」より 著者:戸坂潤
学上の権威に於ては並ぶべきものはない。――ついでに云っておくが司法省の皆川次官の肝煎りで出来る研究会は主に経済学の権威ある研究をするらしく、転向した有名な某氏が....
現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
事大的なものであるのが通り相場であるが、そこからこの種の職業組合がおのずから当局肝煎りの官許組織となり、検閲の合理化のための機関ともなるのである。 帝国美術院....
狐の姐さん」より 著者:宮本百合子
三時過から仕度をし、T・P・W倶楽部の集りに出かけた。A新聞の竹中さんとP夫人の肝煎り。七八人。P夫人は日本に十六年もいる。劇評家。Nさんも見える。P夫人能もす....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
した。 その頃学校に正気会という武芸のための会が出来た。これは校長や、生徒監の肝煎りで出来たもので、今から考えると勢力のある運動家を通して生徒を馴致しようとす....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
大した費用がかかる。 始めはこの古い家柄を衷心から尊敬するスコッチの大蔵大臣の肝煎りで手堅い公債ばかり買い入れ、その利息で楽々生活費が支弁出来た。しかし彼の生....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
は時々前に話しましたが)。この人は旧姓を西巻庄八といいました。これは私の親たちの肝煎りで私の師匠東雲師へ弟子入りをさせたのですから、私の心からの弟子ではなく、弟....
」より 著者:犬田卯
って配給されて来ていた。それは農村人への衛生思想注入のため、どこか厚生省あたりの肝煎りで、特に組合が実行したに相違なかった。 「体温|計ってみたところで、稲は育....