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股
「股〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
股の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
髪の毛をたらして、尻《しり》の切れた藁草履《わらぞうり》をひきずりながら、長い蛙
股《かえるまた》の杖《つえ》をついた、目の丸い、口の大きな、どこか蟇《ひき》の顔....
「ひょっとこ」より 著者:芥川竜之介
楽《こま》のように、ぐるりと一つ大きな円をかきながら、あっと云う間に、メリヤスの
股引《ももひき》をはいた足を空《くう》へあげて、仰向けに伝馬の中へ転げ落ちた。
....
「影」より 著者:芥川竜之介
《ひさし》へ手をやると、吉井が鳥打帽を脱ぐのには眼もかけず、砂利を敷いた構外へ大
股《おおまた》に歩み出した。その容子《ようす》が余り無遠慮《ぶえんりょ》すぎたせ....
「河童」より 著者:芥川竜之介
ップはいつの間にか往来のまん中に脚《あし》をひろげ、しっきりない自動車や人通りを
股目金《まためがね》にのぞいているのです。僕はこの河童《かっぱ》も発狂したかと思....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
黄色《きいろ》に見えるものだった。僕等は腕を組んだまま、二十五の昔と同じように大
股《おおまた》にアスファルトを踏んで行った。二十五の昔と同じように――しかし僕は....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
れにしちゃ谷村さんは遅すぎるな。――」
洋一はちょいとためらった後《のち》、大
股《おおまた》に店さきへ出かけて行くと、もう薄日《うすび》もささなくなった、もの....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
と、まだその点検がすまない中に、老紳士はつと立上って、車の動揺に抵抗しながら、大
股《おおまた》に本間さんの前へ歩みよった。そうしてそのテエブルの向うへ、無造作《....
「仙人」より 著者:芥川竜之介
って下さい。」
すると権助《ごんすけ》は不服《ふふく》そうに、千草《ちくさ》の
股引《ももひき》の膝をすすめながら、こんな理窟《りくつ》を云い出しました。
「そ....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
う玉だ。」
彼は腹立たしそうにこう云うと、くるりと若者に背《せな》を向けて、大
股に噴《ふ》き井《い》から歩み去った。若者はしかし勾玉を掌《てのひら》の上に載せ....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
人を促《うなが》して、可笑《おか》しくもない事を可笑しそうに笑いながら、わざと大
股に歩き出しました。その友人が、後に私が発狂したと云う噂を立てたのも、当時の私の....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
のまわりは水野家の足軽が五十人、一様に新しい柿の帷子《かたびら》を着、新しい白の
股引をはいて、新しい棒をつきながら、警固《けいご》した。――この行列は、監物《け....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
《とうあんしじょう》の側の洗濯屋である。これだけは今後も実行しなければならぬ。猿
股《さるまた》やズボン下や靴下にはいつも馬の毛がくっついているから。……
「十二....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
んの罵る声に交った、支那人の女の子の泣き声です。日本人はその声を聞くが早いか、一
股に二三段ずつ、薄暗い梯子を駈け上りました。そうして婆さんの部屋の戸を力一ぱい叩....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
み、町はずれまで送りし人々の影を見かえり勝ちに明神の森まで来りしが、この曲りの三
股原に至り、またつとめて勇気を振い起し大願成就なさしめたまえと明神の祠を遙拝して....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
のうえにとまって、風の吹く方向を告げているようだった。風の強い日に彼が丘の背を大
股で歩き、洋服をばくばくと風になびかせてゆくのを見ると、貧乏神が地上におりてきた....