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肥し
「肥し〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥しの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「なよたけ」より 著者:加藤道夫
難いまでに紊乱してしまった! 悪辣な国司どもは官権を濫用して、不正を働き、私腹を
肥して、人民を酷使している。今こそ、長いこと忘れられていた正義の魂がとり戻されね....
「島原心中」より 著者:菊池寛
界にまでも、資本主義の毒が漲っていて、売淫者自身の血や膏が、楼主といったものを、
肥しているということです。貧乏な人たちの子女が、わずかな金のために、身を縛られて....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
、脾胃を補い、皮は裘を製し、骨は邪気を除くと本草に見えている。さらに狸は冬月に極
肥し、山珍の主なりと説明しているから、狸汁に憧憬する者、あにわれ一人ならんやと、....
「癩」より 著者:島木健作
え》の大群が物すごい音を立てて飛び立った。「肺病のたれた糞《くそ》や食い残しじゃ
肥しにもなりゃしねえ」雑役夫がブツブツいいながらその後始末をするのだ。その残飯の....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
んで、いずれも土の喰い入った大きな手に鍬を携えながら、私達の側を挨拶して通った。
肥し桶を肩に掛けて、威勢よく向うの畠道を急ぐ壮年も有った。 収穫 あ....
「葉」より 著者:太宰治
は言ったが、何を指してブルジョアジイへの貢献と言うのだろう。わざわざ資本家の懐を
肥してやる点では、僕たちだってプロレタリアアトだって同じことなんだ。資本主義的経....
「土地」より 著者:豊島与志雄
げ》りきってるだ。平助どんの骨折り甲斐だけあらあな。」 「なあに、みんなしてよく
肥してくれるからだ。」と平助は答えた。 「いや地体が肥えてなきゃあ、こうした稲の....
「レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
裁判所がマドレーヌ氏とジャン・ヴァルジャンとは同一人であることを判定して徒刑場を
肥してから、四年もたたないうちに、モントルイュ・スュール・メールの郡においては収....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
を増加しなければならぬ必要とは、耕作者を奨励して、新地を開き既耕地をより完全に施
肥し改良するために、より多くの労働をその土地に投ぜしめ、かくて遂に生活資料は人口....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
ンの農民の間に勤労と活動との著しい不足は何もないとしても、最上の輪作法や土地を施
肥し改良する最良の方法についての知識の不足は、確かにあるのである3)。 1)....
「「モダン猿蟹合戦」」より 著者:宮本百合子
い柿の種(北満)をおしつけた。百姓姿の蟹は仕かたがないから、その柿の種にせっせと
肥しをかけ(二十七年の歳月。十万の聖霊、二十億の投資と書いてあります。)やっと柿....
「鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
ました……ありがとう存じます。旦那方がこなけりゃこの万吉は、もう疾っくに椎の木の
肥しになっているところでした」 ペタリと両手をついたさま、心から嬉しそうである....