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肥沃
「肥沃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肥沃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
群《むらが》って魚を喰べに来るというほどの、静かな谷になって、青々とした森林は、
肥沃な新火山岩の分解した土が、その根を培《つち》かっている、今日神河内温泉宿の二....
「ロプ・ノールその他」より 著者:寺田寅彦
このへんの雪線が少しばかり低下して崑崙の氷河が発達すると、このへんの砂漠がいつか
肥沃の地に変わってやがて世界文化の集合地になるかもしれない。 その時に日本はど....
「常識」より 著者:豊島与志雄
やパリーの郊外に於ける菜園の現状を調べ、その集約的栽培法の理論と実際とを研究し、
肥沃土の人工的製作、電熱が植物の苗根に及ぼす作用、苗床の温度の測定、殊に困難な苗....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
な平衡であった。私的熱情のない彼女の生の豊満のうちに、他人の熱情は花を咲かすべき
肥沃《ひよく》な土地を見出していた。彼女はそれから少しも乱されなかった。芸術家を....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
るほど、これに限る。さすれば洪水の悲劇というものは全然起らないが、その代り、最も
肥沃な農作地帯に一粒の米も実らぬということになるだけの話である。 だいたいシナ....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
業としての専門技術が深く根をおろし、豊かな才能の実を結ぶように、十分に耕やされ、
肥沃な状態におかれた精神の土壌を指すのです。俳優としての修業を積むに当って、単に....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
た。高い雪をかぶった山々が、ただちにこの谷の境目をなしていたが、もはや古城の跡も
肥沃な畠も見られなかった。広大な氷河が道に迫り、落下する雪崩のとどろく音が聞え、....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
ハドソン河の岸のオランダの百姓がたいへん好んで住むような緑濃い、奥まった、地味の
肥沃なところにあった。エルムの巨木がその邸の上にひろびろと枝をひろげ、その根かた....
「荒蕪地」より 著者:犬田卯
山あいの細長い耕地を流れ、それがさらにS川に合流しようという地点……M盆地の最も
肥沃と称せられる一角に位置する約百二十戸ばかりの部落の、いわばこの地方の物資の小....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
地が、バアリイに与えた彼の手紙によれば「小作のとりたてにも故障のない、広々とした
肥沃な土地であるのに」王室の手におちたのである。 彼女は、もっとも実利的な形で....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
う名称をほしいままにしているのである。) 印度車行(印度車行) 沃野無。 (
肥沃な平野は際限もなく広がり、夜を徹して鉄道の客車にのる。三百里も遠いかなたから....
「県歌 信濃の国」より 著者:浅井洌
ゆる山はいや高く 流るる川はいや遠し 松本伊那佐久善光寺 四つの平は
肥沃の地 海こそなけれ物さわに 万ず足らわぬ事ぞなき 二 四方に聳ゆる山....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
なく、わざと紫雲英草を種子蒔き前の田に植えて、空中窒素を地中に吸い取らせて土地を
肥沃します。 文殊菩薩がある日、善財童子(文殊は智慧の象徴、善財は求道者、両者....
「偶言」より 著者:津田左右吉
素地のない社会に偉大な芸術家は現われぬ。ここに芸術の根柢に潜む民衆的要素がある。
肥沃の土地には雑草が茂る。雑草が茂るところでなくては、美しい樹木も、よい穀物も発....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
山紫水明、あまつさえ四囲に青海をめぐらして、気候の調節的温和なること、地味の
肥沃なること、いずれの点より見るも、これが生物によっては優れた自然天恵の日本であ....