肩上げ[語句情報] » 肩上げ

「肩上げ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩上げの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
新版 放浪記」より 著者:林芙美子
ような少女の日を思い出させた。 「君はいくつですか?」 「二十一です。」 「もう肩上げをおろした方がいいな。」 私は顔が熱くなっていた。三十五円毎月つづくとい....
舞馬」より 著者:牧逸馬
の女房にもなかったので、峰吉は半ば以上諦めてはいたものの、それでも祭の日なんかに肩上げのした印絆纏《しるしばんてん》を着て頭を剃った「餓鬼」を見ると、峰吉は、植....
二つの庭」より 著者:宮本百合子
ていても格別おこられもしなかった。インクが紺色だから、そこで働く小さい女工たちも肩上げのきものに紺の前かけをさせられているにちがいない。 外国へ行こうとしてい....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
赤い巾《きれ》をかけた小さな屋台店がならんだ。こんどはお其があたしの後について、肩上げをつまんで離れずにいた。祖母や女中が目を離すと、コチョコチョと人ごみにまぎ....
旧聞日本橋」より 著者:長谷川時雨
はその近くだった。はじめは何処《どこ》のお子さんと訊《き》いたりして、姉妹で私の肩上げをつまんだり袂《たもと》の振りを揃えて見たりしていたが、段々に馴染《なじ》....
丹下左膳」より 著者:林不忘
りりとした、絵のような鳥追い姿。 チョビ安の女装したお安ちゃんは、見ものです。肩上げをした袂の長い、派手な女の子の姿。小さな笠を眼深にかぶって、厚く白粉《おし....
放浪記(初出)」より 著者:林芙美子
ると困るから……。」 塵紙にこまかく包んだ金を私の帯の間にはさもうとした、私は肩上げのとってない昔の羽織を気にしながら、妙にてれくさくなってふりほどいて電車に....
田沢稲船」より 著者:長谷川時雨
娘というのではないが、錦子はシックリした肉附きだ。丸い肩の上に、五分ほどつまんだ肩上げが、地方から出て来た娘々して、何処か鄙《ひな》びているのを、美妙は、掘りた....
日記」より 著者:宮本百合子
、高嶺氏へ 午前中漢文先生、最中に高嶺さんから電話でおまねき、午後から行く。肩上げを下ろしたりしてあるのですっかり大きく見える。久しぶりでピアノをきく。なか....
幕末維新懐古談」より 著者:高村光雲
はかなりこたえました。 谷中へ越した時は、もはや娘は十四、五歳で、師匠は、まだ肩上げも取れぬけれども、絵の技倆は技倆だからといって許をくれました。当人は好きな....