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「肩先〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩先の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
彼の足もとへ、左右から襲いかかった。一頭の頤《あご》を蹴返《けかえ》すと、一頭が肩先へおどりかかる。それと同時に、一頭の牙《きば》が、すんでに太刀《たち》を持っ....
守の家」より 著者:伊藤左千夫
《も》りのお松が、草箒《くさぼうき》とごみとりとを両手に持ったまま、立ってて姉の肩先から自分を見下《みおろ》して居た。自分は姉の可愛がってくれるのも嬉しかったけ....
人間灰」より 著者:海野十三
さんばかりに駭いた。 血! 血! 怪漢の帽子といわず、襟をたてたレンコートの肩先といわず、それから怪漢の顔にまで夥しい血糊が飛んでいた。大した獲物だった。 ....
電気風呂の怪死事件」より 著者:海野十三
パッと大きく見開いた。というのは、その今しも見つめていた女の頸筋から一寸程離れた肩先に附着していた血痕が、チラリと閃いたようだったからである。 「おやッ?」 ....
」より 著者:海野十三
と開いた。――その向こうには、助手の理学士の土色の顔があった。しかも白い実験衣の肩先がひどく破れて、真赤な血潮が見る見る大きく拡がっていった。 「ど、どうしたの....
蠅男」より 著者:海野十三
は白い清浄な夜具のなかにうずまって、ベッドの上に寝ていた。 (呀ッ、そうだ。僕は肩先を機関銃で撃たれて、この病院に担ぎこまれたんだったな) 彼は大阪住吉区岸姫....
とむらい機関車」より 著者:大阪圭吉
返ったのです。が、それからものの五分と経たない内に、助役が急にキッとなって吉岡の肩先をしたたかにこ突いたんです。 吉岡は思わず固唾を飲みました。 ――成る程....
青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
もう問答のいとまもない。庄兵衛の刀は闇にひらめいたかと思うと、片手なぐりに妻の肩先から斬り下げた。 あっと叫んで逃げようとする与市も、おなじく背後から肩を斬....
火星兵団」より 著者:海野十三
投げこんだものが、恐るべきものじゃ」 と、博士は、その時のことを思い出してか、肩先をぶるぶるとふるわせた。 「何です、博士。そのおそるべきものと言いますと……....
太平洋魔城」より 著者:海野十三
その下にあいた口から、まっさかさまに落ちて行った。 自分の名を知る覆面の男肩先を、ぽんと、けられたいたみに、太刀川は、はっと、我にかえってあたりを見まわす....
不思議なる空間断層」より 著者:海野十三
まだ死にきってはいなかった。しかし見る見る気力が衰えてゆくのがはっきりと判った。肩先にあてていた真赤な血の染んだ手が徐々に下に滑り落ちてゆくと、傷口がぱくりと開....
燕と王子」より 著者:有島武郎
ませんので、日はくれるししかたがないから夕日を受けて金色に光った高い王子の立像の肩先に羽を休める事にしました。 王子の像は石だたみのしかれた往来の四つかどに立....
橋の上」より 著者:犬田卯
意気だぞ!」 圭太は蟇のように身を縮めた。いまにもそのステッキが自分の頭上か、肩先かへ落ちるような気がしたのだ。 さぶちゃんの一味は、小気味よさそうに、圭太....
芙蓉の花にも似た美しい楊貴妃を」より 著者:上村松園
やや下品な様に聞こえますがそうではなく極気品の高いものにして全体羅の中に玉の様な肩先から白い胸の辺り少し湯上りのぽっと紅潮した皮膚が見えて居ると言った風で……傍....
活人形」より 著者:泉鏡花
。「ちええ、面倒だ。と剣を揮い、胸前目懸けて突込みしが、心|急きたる手元狂いて、肩先ぐざと突通せば、きゃッと魂消る下枝の声。 途端に烈しく戸を打叩きて、「赤得....