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「肩書〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

肩書の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
」より 著者:芥川竜之介
》が幾つも動いていた。僕は従姉たちと顔を見合せ、ふと従兄には××青年団団長と云う肩書もあったのを思い出した。 「お礼を言いに出なくっちゃいけないでしょうね。」 ....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
老紳士はポケットをさぐって、一枚の名刺を本間さんの前へ出して見せた。名刺には肩書きも何も、刷ってはない。が、本間さんはそれを見て、始めて、この老紳士の顔をど....
時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
人は皆ひとしく自然主義者なのである。そうしてそのおのおのの間には、今日すでにその肩書以外にはほとんどまったく共通した点が見いだしがたいのである。むろん同主義者だ....
第五氷河期」より 著者:海野十三
博士であった。 この前、総監の信頼するこの四名の権威者は、北見博士の取調べに、肩書を秘して立ち合ったのであった。彼らは、例の地震に遭って、危いところで、それぞ....
婦系図」より 著者:泉鏡花
」 と肩を揺って、無邪気と云えば無邪気、余り底の無さ過ぎるような笑方。文学士と肩書の名刺と共に、新いだけに美しい若々しい髯を押揉んだ。ちと目立つばかり口が大い....
深夜の市長」より 著者:海野十三
体を見たこと等については、軽々しくいうべきことでないので、黙っていた。 役柄の肩書が物を云ってか、千代子はもちろんのこと、傲慢にさえなった大福餅売りの町子さえ....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
懸らなければ言えませぬ。早く願います。僕の名刺が此所にあります」 と私は学生の肩書のついた名刺を出しましたことです。歩哨は僕の年若さと、学生服とに好意をよせた....
爬虫館事件」より 著者:海野十三
見ていますよ」 「研究といいますと――」 「爬虫類の大家です。医学士と理学士との肩書をもっていますが、理学の方は近々学位論文を出すことになっているので、間もなく....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
明らかにされなければならない。曾呂利本馬とは、真赤ないつわり、彼こそは、理学士の肩書のある青年探偵、帆村荘六その人だったのである。 おお、あの有名な名探偵、帆....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
の六人も全部博士であった。殊に甲斐博士という人は、法学博士と医学博士との、二つの肩書を持っている人で、法医学には特にくわしい知識をもち、一行の中で一番年齢が若か....
火星兵団」より 著者:海野十三
田老博士は、奇怪にも大学当局から、辞表を出すように命令され、むりやりに名誉教授の肩書をうばわれてしまったのだ。そんなことになったわけは、ほら例の「火星兵団」にあ....
空襲警報」より 著者:海野十三
なり、鉄造のガッチリした胸にとびついた。 「うわーッ」 と、さすがに後備軍曹の肩書を持つ鍛冶屋の大将も、不意うちに、防毒面をかぶった変な生物にとびつかれ胆をつ....
薄紅梅」より 著者:泉鏡花
大島の小袖に鉄無地の羽織で、角打の紐を縦に一扱き扱いたのは、大学法科出の新学士。肩書の分限に依って職を求むれば、速に玄関を構えて、新夫人にかしずかるべき処を、僻....
化鳥」より 著者:泉鏡花
へまっすぐに恭しく置いて、 「こういうものじゃ、これじゃ、俺じゃ。」 といって肩書の処を指した、恐しくみじかい指で、黄金の指環の太いのをはめている。 手にも....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
しい機運に向いていた時であったから、今の博士よりも遥にヨリ以上重視された文学士の肩書を署した春廼舎の新作は忽ち空前の人気を沸騰し、堂々たる文学士が指を小説に染め....