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肯く
「肯く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肯くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
い、これこれ、話がある、まあ、ちょっと静まれ。 おお、怜悧々々、よく言うことを
肯くな。 何じゃ、外じゃないがな、どうだ余り感心したについて、もうちッと上手な....
「活人形」より 著者:泉鏡花
即金で千円返せ、返さなけりゃ、訴えると言い募って、あの火吸器だもの、何というても
肯くものか。すんでに駈出そうとしやあがる。ままよ毒喰わば皿迄と、我が突殺したのだ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
をなすっては不可ませんよ。」 「ほんとうに貴郎の半分でも、父様が母様の言うことを
肯くと可いんだけれど、学校でも皆が評判をするんですもの、人が悪いのはね、私の事を....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
ら、宵啼をする鶏は殺すものとしてあるわさ。」 「そこで、」 「謂ったってあの女が
肯くものか、どうして可愛がることといったら、」 恐しく声を密めて、 「御隠居の....
「照葉狂言」より 著者:泉鏡花
に居て、片手を尻下りに結びたる帯にはさみて、鷹揚に指揮するなり。 わびたりとて
肯くべきにあらず、しおしおと引返す本意なき日数こそ積りたれ。忘れぬは我ために、こ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
の上の重荷です」 と、木村事務官は深い溜息をついた。 帆村は、ただ黙々として
肯く。木村氏の暗号に対する話の内容は、彼の持っている知識と完全に一致していたので....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
意があった。準備はいいようだな」 「はッ。用意は、よいであります」 中尉は軽く
肯くと云った。「よいか、ぬかるな」 「おい佐島一等兵。電話で司令部へ、報告せい。....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
いした。 「おお珍らしや、向うから来るは確かに人影、占めた!」 半之丞は大きく
肯くと、いつもとは違って機械人間を虎松の登っている商家の軒下に追いやった。そして....
「振動魔」より 著者:海野十三
、白石雪子と云って、柿丘よりも二つ歳上の三十七歳だった。だが、その外貌に、それと
肯く分別臭さはあっても、凡そ彼女の肉体の上には、どこにもそのように多い数字に相応....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
むよ」 と「深夜の市長」が何か変な手真似をしながら声をかけると、運転手は黙って
肯くのであった。だが僕は、その運転手が敬虔な眼眸をもって「深夜の市長」に対するの....
「西湖の屍人」より 著者:海野十三
偽瞞にみちたインチキ日光に、青年は幾日|幾月を憧れたことだったろう。 彼は一つ
肯くと素早く、西湖を望む窓辺に駈けより、重い花壜を※止となげつけた。ガタリという....
「大空魔艦」より 著者:海野十三
意気なことをいっているな。よし、それではこっちにも覚悟があるぞ」 と、ひとりで
肯くと、また高声器の前に耳を傾けた。 ところが、高声器はもう何にも物をいわなく....
「地球盗難」より 著者:海野十三
のような代志子坊やの傍に近づいた。そして暫くその様子を窺っていたが、やがて大きく
肯くと、大入道赤ン坊の身体をやっこらさと肩に担いで、丘をフラフラと向うの方へ下り....
「仲々死なぬ彼奴」より 著者:海野十三
にか、やさしい泣き逆吃に代えて、こんな想像をめぐらしていたのであった。彼は大きく
肯くと、突然|颯爽と畳の上に立ち上った。と思ったら、直ぐにペタンと、元の薄汚れに....
「蠅男」より 著者:海野十三
たのは、この一銭活動フィルムであった。 池谷医師はそのフィルムを受取って大きく
肯くと、それを手帛に包んでポケットのなかに収めて、そして連れの女を促して、足早に....