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育成
「育成〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
育成の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「火の鳥」より 著者:太宰治
て、はじめて生れて来るものじゃないのか。まず自分を、自分の周囲を、不安ないように
育成して、自分の小さいふるさとの、自分のまずしい身内《みうち》の、堅実な一兵卒に....
「自然界の縞模様」より 著者:寺田寅彦
うどその渦流に好都合なような器械的条件に相応すれば、この凹凸は自然に規則正しく発
育成長するのが当然である。 これは少し脱線であるが、珊瑚礁を作るような珊瑚のう....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
になっている通り、官僚的・軍義的な条件の下に、云わば上方からの圧力によって過急に
育成されたものであり、従って初めから夫は、ある程度の統制――政府の干渉――に服し....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
場があって、そこでこの特別の牛類を蕃種させ、野放しのまま、ひたすらその闘争精神を
育成する。野ばなしと教育とは、こうして闘牛の場合にのみ、不思議に、そして必然的に....
「呉秀三先生」より 著者:斎藤茂吉
、弁別ノ能ハ原因結果ノ比較ヲ屡スルニヨリテ長ズ。他ノ高等精神作用亦皆習練ニヨリテ
育成セラルルコト此ニ同キモノナリ」というのがある。此の如く呉先生の著書の幾通が偶....
「選挙殺人事件」より 著者:坂口安吾
でしょうな。思想はだいたい共通しております。しかし、もっと中小商工業者をいたわり
育成すべきです。それはワタクシの甚だしく不満とするところでありまして、またワタク....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
した。そこに、かたわら体躯の優れた犯人男女を送って、いずれは近侍に適わしい、巨人
育成法が試みられたのであった。 その島は夷岐戸島と名づけられて、嵐のあと、空気....
「映画と民族性」より 著者:伊丹万作
の議論をさらに推し進めて行くと、結局映画工作はそれぞれの地理的関係のもとに映画を
育成することに重点をおくべしということになりそうである。 しかし、現地の事情に....
「あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
とって、まずまず結構なことだと思います。 いずれの映画会社でも、かねがね新人の
育成を心掛けているようですが、映画俳優の基礎的な訓練を満足に実行しているところは....
「安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
牛の仔牛。これを和歌山で二三歳まで育て、最後に松阪へつれてきて三月から半年かけて
育成、最後の仕上げをする。松阪が最後の
育成に適しているのは、薬草などが自生してい....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
の傾向があると思いますが、日本の憲法や法律がどうあろうとも、日本の亭主の習慣的に
育成された思想や感情やそれにからまる論理の現状に於ては、生活に困った場合に女房を....
「東京宝塚劇場の再開に憶う」より 著者:小林一三
ます。そして宝塚歌劇の上演しない月は、芸術座、春秋座、新国劇と、国民劇と国民劇の
育成を目的とした東宝劇団等の出演をもって東都の新名所となったのでありますが、戦争....
「わが童心」より 著者:佐藤垢石
間にとって、故郷ほど肌ざわりの滑らかな里はないのである。しかも友は、二人の子供の
育成に、眼も鼻もなき喜びに耽っている状が書翰の文字の間に、彷彿として現われている....
「味覚の美と芸術の美」より 著者:北大路魯山人
あるが如く、またなきが如くである。天は光を注ぎ、熱を与え、また雨を降らして草木を
育成する。そこになんらかの目的があるように思えぬことはない。しかるに、また天は時....
「思想動員論」より 著者:戸坂潤
極的なタイプへ近づけようというようなことは考えない。陶冶は強制することではなくて
育成することを意味する。所が思想善導なるものは、こうした近代的な自由主義的(?)....