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肺病
「肺病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
肺病の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
ライプツィッヒを訪れ、千六百五十八年には、スタンフォドのサムエル・ウォリスと云う
肺病やみの男に、赤サルビアの葉を二枚に、羊蹄《ブラッドワアト》の葉を一枚、麦酒《....
「星座」より 著者:有島武郎
と言い争いを始めたらしい。母も何か言ったようだったが、それは聞こえなかった。
「
肺病はお母さんうつるもんだよ」
純次の声がまた。それは聞こえよがしといってよか....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
ぎりなき希求憧憬《ききゅうどうけい》の情を走らせながらも、またつねに、彼が一個の
肺病患者であるという事実を忘れなかった。いつからとなく我々の心にまぎれこんでいた....
「人造人間殺害事件」より 著者:海野十三
《しきじょうふじん》には、もう三十日あまりも纏《まと》いつかれていた。僕のような
肺病やみのどこがよくて誘われるのであろうかと不審にたえない。しかし神経的に考えて....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
性の懸念もありだ。それは大丈夫としてからが、ああいう美しいのには有りがちだから、
肺病の憂があってはならず、酒井の親属関係、妙子の交友の如何、そこらを一つ委しく聞....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
剤を使っていたな。――」 Sさんは僕等をふり返って言った。 「この別荘の主人は
肺病患者だよ。」 僕等は芒の穂を出した中を「悠々荘」の後ろへ廻って見た。そこに....
「振動魔」より 著者:海野十三
院を持つ有名な呼吸器病の大家だった。一般にサナトリューム療院といえば、極く軽症の
肺病患者ばかりに入院を許し、第二期とか第三期とかに入ったやや重症の患者に対しては....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
でも、あんなに早く逝くものかネ」 「僕は大将の邸で、変な男を見かけたことがある。
肺病やみのカマキリみたいなヒョロ長く、そして足をひいている男さ。あいつが何か一役....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
何にも出来やしないと思ったけれど、まさかそんなことをいえたものでもなし、呼吸器も
肺病の薬というので懸けるんだッて。それからね、その髯がまた妙なのさ。」 とお貞....
「私の活動写真傍観史」より 著者:伊丹万作
私は、もつと必死に絵の勉強をする必要を感じてきたのと、死なれては困る友人が郷里で
肺病になつて寝ついてしまつたので見舞がてら一まず郷里へ帰る決心をした。 そして....
「米」より 著者:犬田卯
もんか、家をどうするんだ、家の相続を――」などと言ったり、「東京などへ行って……
肺病にでもとっつかれて死ね、この野郎――」などと喚いたりしたのだったが、結局、一....
「誓之巻」より 著者:泉鏡花
くはどういうものでしょう、それはね、ほんとに嘘のように元気がよくおなんなすッて、
肺病なんてものは何でもないものだ。こんなわけのないものはないッてっちゃ、室の中を....
「山吹」より 著者:泉鏡花
を痛がると言っては、ひそひそ。姑たちが額を集め、芝居や、活動によくある筋の、あの
肺病だから家のためにはかえられない、という相談をするのです。――夫はただ「辛抱を....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
、それなりけり。砂利へ寝かされるような蒲団に倒れて、乳房の下に骨が見える煩い方。
肺病のある上へ、驚いたがきっかけとなって心臓を痛めたと、医者が匙を投げてから内証....
「妖怪学」より 著者:井上円了
って、よく感知するを得るなり。ゆえに、これ決して怪しむべきことにあらず。その他、
肺病等を前知すること往々これありという。また、手を胸上に置き、もしくは夜具等にて....