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「胆汁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胆汁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
わってしまっていつまでも晴れなかった。葉子は口びるだけに軽い笑いを浮かべながら、胆汁《たんじゅう》のみなぎったようなその顔を下目で快げにまじまじとながめやった。....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
の十万億土から迸発《ほうはつ》した、赤焼のした、しかしながら今は凝固した、冷たい胆汁《たんじゅう》に触れることが出来るのである。 しかも火山を絶対に美しく、完....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
すけど、私の眼にさえも、それは異様なものに映じておりました。多分それというのも、胆汁や腹腔内の出血などが、泥さえも交え、ドロドロにかきまざっていたせいもあるでし....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
温熱の源たる心臓は太陽に相応し、脳は太陰に、肝臓は木星に、腎臓は金星に、また黒い胆汁を蔵する脾臓は憂鬱の支配たる土星に、胆嚢は火星に、肺臓は水星に相応している。....
赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
質に数えあげるならば、主人公の顔貌が能面でもあるかのように上品すぎることと、その胆汁が滲みだしたような黄色い皮膚と、そして三十女の婦人病を思わせるような眼隈の黝....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いわば人生も生活も技術家としてコースが定められた人たちなので、朴々としていずれも胆汁質の青年に見えた。地方の人が多かった。それに較べられるためか、復一は際だった....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
できなくなってしまうでしょう」 汗まみれになった旗太郎には、このわずかな間に、胆汁が全身に溢れ出たのではないかと思われた。すでに、怒号する気力も尽き果てて、ぼ....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
しても頬髯だけは残し、大いに威厳を保っている。胸には濃い胸毛がある。全体の様子が胆汁質で、脂っこくて鈍重である。女に惚れられる玉ではない。諏訪家の姫を孕ませて絵....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の前菜にはなおさらである。 三番目「仇討輪廻《あだうちりんね》」では、多血質、胆汁質《たんじゅうしつ》、神経質とでも言うか、とにかく性格のちがう三人兄弟の対仇....
無人島に生きる十六人」より 著者:須川邦彦
であった。 何かいい薬はないだろうかと、いろいろそうだんしたが、これはたぶん、胆汁のふそくからきた病気にちがいない、にがい薬をのませたらいいだろう。それにはア....
言葉の不思議」より 著者:寺田寅彦
のオンゲルは「オコル」に似ている。 怒りを意味する choler はギリシアの胆汁のコレーから来ているそうで、コレラや gall や yellow なども縁が....
省察」より 著者:デカルトルネ
かにして否定され得るであろうか、もし私がおそらく私を誰か狂った者に、その脳が黒い胆汁からの頑固な蒸気でかき乱されていて、極貧であるのに自分は帝王であるとか、赤裸....
潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
「|鷹の城」に集注されてしまうのだが、そうして、二人はこの短時間のうちに、全身の胆汁を絞り尽したと思われるほどの、疲労を覚えたのであった。 やがて、旧の室に戻....
銀三十枚」より 著者:国枝史郎
高くはなくなった。 だがそれも結構ではないか。 美しい妻を持っていることは、胆汁質でない良人にとっては、決して幸福ではないのだから。 だが勿論将来といえど....
今昔茶話」より 著者:国枝史郎
うとしたって、俺、ビクともしないよ、といったような、よく云えば剛胆、素直に云えば胆汁質のボーッとした態度で、 「禿頭病にかかったんだ」 と云って、ノンビリと椅....