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「胆玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胆玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
歌行灯」より 著者:泉鏡花
寄着かれちゃ、弱いものには我慢が出来ない。淵に臨んで、崕の上に瞰下ろして踏留まる胆玉のないものは、いっその思い、真逆に飛込みます。破れかぶれよ、按摩さん、従兄弟....
黒百合」より 著者:泉鏡花
ない。お前さんはお金子が自由だろう、我儘が出来るじゃあないか。気象はその通だし、胆玉は大いし、体は鍛えてある、まあ、第一、その目つきが容易じゃあない。火に焼れず....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
いたのでよくたべた。一度たべた以上は、少くたべても、たくさんたべても同じことだと胆玉をすえた。 (この連中は、おれたちがここへ来ることを知っていたという。こっち....
奇賊悲願」より 著者:海野十三
……」と貫一は、とうとう座り直して真剣な目付になった。 「憚りながら的矢の貫一、胆玉がよわくなったの、腕があまくなったのといわれちゃあ――」 「そんならいい。今....
人造人間エフ氏」より 著者:海野十三
とうとう大辻助手は、たまらなくなって、おどろきのこえをたてた。からだは大きいが胆玉の方は、それほど大きくないのがこの大辻助手だ。 「ええっ、幽霊。あれーえ」 ....
人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
は、ちょっと申訳がないが、実はいよいよたいへんなことが始まったぞというので、僕の胆玉は上がったり下ったりして、現場を逃げだそうかどうしようかと思案に暮れていたと....
風流仏」より 著者:幸田露伴
ょうが下世話にも云う乗りかゝった船、此儘左様ならと指を※えて退くはなんぼ上方産の胆玉なしでも仕憎い事、殊更|最前も云うた通りぞっこん善女と感じて居る御前の憂目を....
家庭の人へ」より 著者:寺田寅彦
そうであったことが私には幸運であったと思っている。 子供の時分にこの臆病な私の胆玉を脅かしたものの一つは雷鳴であった。郷里が山国で夏中は雷雨が非常に頻繁であり....
昭和遊撃隊」より 著者:平田晋策
航海長小川中佐。三十浬の水門を、よくも乗り切ったものだ。 「御苦労でしたね。僕は胆玉《きもだま》をひやひやさせたよ。」 武田博士も汗を拭いている。 「それにし....
石狩川」より 著者:本庄陸男
のであるが、その間に軍隊の諸方式はすっかり変っている。戊辰《ぼしん》戦争の経験は胆玉のことには役立っても、指揮者としては何にもならない。いそいでその任務を勉強し....
斬られたさに」より 著者:夢野久作
るけに、たわいもない柔弱者かと思うと、油断のない体の構え、足の配り……ことに彼の胆玉と弁舌が、年頃と釣合わぬところが奇妙じゃ。……真逆に街道の狐でもあるまいが…....
ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
がら、矢張り私と同じようにソロッと覗き込みました。……が……その時のお八代さんの胆玉の据わりようばっかりは、今思い出しても身の毛が竦立ちます。 ――お八代さん....