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「背負う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

背負うの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カインの末裔」より 著者:有島武郎
ように見廻した。二人は黙ったままでつまごをはいた。妻が風呂敷を被《かぶ》って荷を背負うと仁右衛門は後ろから助け起してやった。妻はとうとう身を震わして泣き出した。....
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
のであった。自分はいつものごとくに、おんぼという姉とおんもという妹とをいっしょに背負うて、しばらく彼らを笑わせた。梅子が餌を持ち出してきて鶏にやるので再び四人の....
野菊の墓」より 著者:伊藤左千夫
。それだからこれからも時時は遊びにお出でよ。お母さんに叱られたら僕が咎《とが》を背負うから……人が何と云ったってよいじゃないか」 何というても児供だけに無茶な....
特許多腕人間方式」より 著者:海野十三
ょう」 「しかし。三本目の腕をつける場所が、ちょっと心配になるのでしてナ、背嚢を背負うのに邪魔になったり、駈け足に邪魔になったりするのでは困るですからなあ」 ....
吉原新話」より 著者:泉鏡花
らむ。さらば、身代りの婦を奪ろう!……も一つ他にもある。両の袂で持重ろう。あとは背負うても、抱いても荷じゃ。やあ、殿、上※たち、此方衆にはただ遊うだじゃいの。道....
隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
うのはおはまだ。 「朝っぱらから食うことばかりいってやがらア」 そういって兄は背負うたスガイ藁を右の肩から左の肩へ移した。隣のお袋と満蔵とはどんなおもしろい話....
地中魔」より 著者:海野十三
敵か味方か。とにかく寒くてやり切れないから上陸、上陸……」 大辻探偵は潜水服を背負うと危い足取で月島の海岸めがけてザブザブと上ってきた。 潜水服を預けた....
地球盗難」より 著者:海野十三
のか分らないけれど、博士はそういうと、大隅の身体に手をかけ、ウンと力を入れて肩に背負うと、また廊下の向うへスタスタと歩きだした。 廊下を向うへ曲り、自動エレヴ....
春の槍から帰って」より 著者:板倉勝宣
とがある。だから、どうしても雪崩前に山へ行かなければ損である。 人夫。われらの背負う荷には限りがある。だから人の全くいない山の中を一週間も歩くには、人夫を頼む....
火星兵団」より 著者:海野十三
とすれば、一体、何と言っていいかわからないが、のこる三人の上に、たいへんな重荷を背負うことになる。そうではないか。生きているうちに、この三人は二十億年の地球の歴....
月世界探険記」より 著者:海野十三
大胆に『危難の海』の南に聳えるコンドルセに着陸しよう。皆、防寒具に酸素|吸入器を背負うことを忘れないように。……では着陸用意!」 「着陸用意よろし」 猿田飛行....
大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
をやればいいのだよ」 「なるほど、そうですか。じやあ、一人一人が、酸素のタンクを背負うのですね」 「まあ、そうだよ」 三郎少年は、やっとわかったような気がした....
棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
彼女の恐怖心をあおったものだろう。――杜は仕方なく、そういうとこで、この大の女を背負うか、或いは両手でその重い身体を抱くかし、壊れた橋桁の上を渡ってゆくしかなか....
村芝居」より 著者:井上紅梅
。すると舳に突当る水の音が一際あざやかに、船はさながら一つの大白魚が一群の子供を背負うて浪の中に突入するように見えた。夜どおし魚を取っている爺さん連は船を停めて....
活人形」より 著者:泉鏡花
くなり。 泰助は見るに忍びず。いでまずこの嬢を救い出さん、家の案内は心得たれば背負うて遁げんに雑作は無しと幕を掲げて衝と出でたり。不意に驚き、「あれ。と叫びて....