背部[語句情報] »
背部
「背部〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背部の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
たまま葉子に背を向けて立ちながら。葉子は飛んでもない失策でもしたように、シャツの
背部につけるカラーボタンを手に持ったままおろおろしていた。
「ついシャツを仕替《....
「「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
通路をほのかに暗示する点に存している。また、西洋のデコルテのように、肩から胸部と
背部との一帯を露出する野暮に陥らないところは、抜き衣紋の「いき」としての味がある....
「省線電車の射撃手」より 著者:海野十三
のは、彼女の心臓の上部が、一発の弾丸によって、美事射ちぬかれていたから。弾丸は左
背部の肋骨にひっかかっているらしく、裸にしてみた少女の背中には弾丸の射出口が見当....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
全に骨ばかりになっていた。棺も着衣も腐朽して殆ど痕跡を止めない程だった。只屍体の
背部の恰度屍体の下敷になっていたと思われる部分に、少しばかりボロボロになった布片....
「連環記」より 著者:幸田露伴
しも思えず、と泣きさくりつつ、たどたどしく言った。石の帯というは、黒漆の革の帯の
背部の飾りを、石で造ったものをいうので、衣冠束帯の当時の朝服の帯であり、位階によ....
「竹の木戸」より 著者:国木田独歩
下から寒い夜風が吹きこむので二人は手足も縮められるだけ縮めているが、それでも磯の
背部は半分外に露出ていた。 中 十二月に入ると急に寒気が増して....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
愛らしい小娘がそこへ現われました。服装は筒袖式の桃色の衣服、頭髪を左右に分けて、
背部の方でくるくるとまるめて居るところは、何う見ても御国風よりは唐風に近いもので....
「伯林の落葉」より 著者:岡本かの子
る男女の密接に組んだ姿だ。ベンチの脚は落葉に殆ど没している。腰部を縮めて寄せ合い
背部をくねらせて、肩と肩に載せ合った手。黒と茶色の服の色の交錯は女体と男体を、突....
「「マリー・ロオジェ事件」の研究」より 著者:小酒井不木
だった。右の手頸の一部分もよほど皮膚が擦りむけており、それからひきつづいて右腕の
背部一面に皮膚が擦りむけていたが、とりわけ、最もひどかったのは、肩胛骨の部分だっ....
「呪われの家」より 著者:小酒井不木
髪に結った面長の美人で、身体はうつぶしになり、顔を横向けてたおれて居たが、右側の
背部の肩胛骨の下の所を衣服の上から刺されて、出血のために絶命したものらしかった。....
「肉腫」より 著者:小酒井不木
を得なかった。で、私は、右肩から左の腋下にかけて、胸部一面に繃帯をした軽い身体の
背部に手を差し入れ、脳貧血を起させぬよう、極めて注意深く、寝台の上に起してやった....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
人は多分、押入の中にかくれて居て、大平氏が、彼女を襲ったとき、突然、襖をあけて、
背部から短刀で刺したのであろう。 彼は押入をあけて見た。中は上下二段に区切られ....
「現場の写真」より 著者:小酒井不木
これは犯人が、被害者の座っている後ろから抱きついて短刀で心臓部を刺し、それから、
背部を手で突いて前方へつんのめらせたものです」 「しかし、前方から刺したと考えて....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
に属す。その堂内の礼壇には必ず十字架上のヤソ像と花瓶、燭台とを駢列し、その礼壇の
背部に、別にマリアの女像を安置せる一室あり。なお、わが神社の奥院のごとし。その堂....
「魂の喘ぎ」より 著者:大倉燁子
入れは毎度の事なので信託の人々にも怪しまれず、始末が出来ました。観音のがらん洞の
背部に彼を寝かせ、そのぐるりの隅々にまで隙間なくぎっしりとアドソールを詰め込み、....