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背馳
「背馳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
背馳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
快な種を蒔《ま》く事になった。これは恐らく、彼の満足が、暗々の裡《うち》に論理と
背馳《はいち》して、彼の行為とその結果のすべてとを肯定するほど、虫の好い性質を帯....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ものであるが、これは自然の研究に基づいて構成された近代の進化論の学説とは甚だしく
背馳する考えである。この説の先駆者とも見るべきものはエジプト伝説の中にもまたホー....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
思うのだ。どうだろう法水君、この胡桃形をした無残な烙印には、たしか索溝の形状と、
背馳するものがあるように思われるんだが」とてっきり、胡桃の殻としか思われない結節....
「運命」より 著者:幸田露伴
遣りて、朝廷兵を罷むるを許したまいて、而して糧を絶ち北を攻めしめたもうは、前詔と
背馳すと奏す。帝書を得て兵を罷むるの意あり。方孝孺に語りたまわく、燕王は孝康皇帝....
「花吹雪」より 著者:太宰治
のだから、一生、神仏を忘れないとしても、それだって神仏を頼むほうだ。剣聖の心境に
背馳すること千万なり。 十九、恥ずかしながらわが敵は、廚房に在り。之をだまして、....
「科学と文学」より 著者:寺田寅彦
史の上でもいろいろの変遷を遂げて来た。そうして一時は仏説などの因果の考えとは全く
背馳する別物であるかのように見えたのが、近ごろはまた著しい転向を示して来て、むし....
「什器破壊業事件」より 著者:海野十三
物を壊すことは、案外気持のいいことである。もちろん物資愛護の叫ばれる現下の国策に
背馳する行為ではあったが、しかし光枝の場合は、壊すための理由があった。つまりそれ....
「現代日本の思想対立」より 著者:戸坂潤
ブロックの持つ萎微退嬰の消極的指導方針は国運の進展を阻害しわが党の積極的方針とは
背馳するものがあるから、かくの如き指導精神は打破しなければならぬものと、かねがね....
「アインシュタイン」より 著者:寺田寅彦
リックの教義と家庭におけるユダヤ教の教義との相対的な矛盾――因襲的な独断と独断の
背馳が彼の幼い心にどのような反応を起させたか、これも本人に聞いてみたい問題である....
「二科展院展急行瞥見」より 著者:寺田寅彦
ためもあるかもしれないが、一つにはまた実際に近頃の二科会の絵の傾向が自分の好みに
背馳して来たように思われたためもある。昨年の会など、見ているうちに何だか少しむっ....
「自転車嬢の危難」より 著者:ドイルアーサー・コナン
ースとウードレーの関係を調べてみなければならない。この二人はどうもとても性質が相
背馳しているようだからね。それからこの二人がどうして、ラルフ・スミスの親類に、熱....
「二葉亭四迷」より 著者:内田魯庵
いたが、同時にやはり幼時から染込んだ東洋思想を全く擺脱する事が出来ないで、この相
背馳した二つの思想の※着が常に頭脳に絶えなかったであろう。二葉亭が遊戯分子という....
「法隆寺再建非再建論の回顧」より 著者:喜田貞吉
古仏像等に関する研究をも採って審査してみると、奇態にもそのすべてが余輩の見解と相
背馳しているように感ぜられる。遂に自ら根本的研究を加えてみたいとの野心が熾んに燃....
「エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
も額に貼りつけて歩いている」とヘンリイ・カッフがいっている。そんな性質にもっとも
背馳するもの――なにか深く計算された策略を撓みなく実践しろとか、卑小な狡さをとき....
「雷門以北」より 著者:久保田万太郎
ずして、家屋住宅の好みより衣服器具の選択など、形式上のすべてがいわゆる江戸趣味と
背馳するもの挙げて数ふべからず。』とはっきり結論を下している。そうしてさらに『お....