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「胞子〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胞子の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
双子の星」より 著者:宮沢賢治
双子の星 一 天《あま》の川《がわ》の西の岸にすぎなの胞子《ほうし》ほどの小さな二つの星が見えます。あれはチュンセ童子とポウセ童子とい....
十二支考」より 著者:南方熊楠
くる藻」を見よ)。生来この藻は流水や噴泉で不断|盪《あら》わるる処に生えるがその胞子が偶然止水中に入って困《くる》しんだ余り一計を案じ魚に託生してその魚が游《お....
党生活者」より 著者:小林多喜二
工場を探がしあて、それ/″\の職場に入り込んで行く人間なので、それは謂《い》わば胞子だった。従って臨時工の一人々々とは後々までも決して離れてはならなかった。――....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
てスタフィロコッケン(Staphylococcen 一種の黴菌)の植物状のもの(胞子ではなく)を、十分乾燥された状態で使用した。これは室温においては、約三日間に....
渋谷家の始祖」より 著者:宮本百合子
に、とり繞れながら、床に就いていた。 世界が夜になっている。微細な、潤った夜の胞子の間を縫って、卵色の燈火が瞬いている。 何時の晩なのだろう。 正隆は丁度....
花園の思想」より 著者:横光利一
や塵埃溜や、それともまたは、歯車の噛み合う機械や飲食店の積み重なった器物の中へ、胞子を無数に撒きながら、この丘の花園の中へ寄り集って来たものに相違ない。しかし、....
芽生」より 著者:宮本百合子
るのもいかにも柔くやさしく私の心にひびいて来て居ました。 うすっくらい悪い事の胞子がいっぱいとび散って居る様なまがりっかどの、かどに居る露店のおばあさんのとこ....
植物一日一題」より 著者:牧野富太郎
て軽虚となり、中から煙が吹き出て気中に散漫するようになるが、この煙はすなわちその胞子であるから、今これを胞子煙と名づけてもまんざらではあるまい。今から一〇九〇年....
木綿以前の事」より 著者:柳田国男
の全貌を昔のままでなく、好くも悪くも新しいものにして外部の力、空に吹き散る花粉や胞子のごときものの中に、かつてはこのきわめて温柔なる女性の一群も参加して、しかも....
ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
いう。私の家の跡あたりにわらびがたくさん芽を出した。これは西の方の稲佐山にあった胞子が降ってきたものであろう。町並みのなくなったのっぺらぼうの丘にわらびを見ると....