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「胞衣〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

胞衣の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
年末の一日」より 著者:芥川竜之介
、肉屋の車に近いものだった。が、側《そば》へ寄って見ると、横に広いあと口に東京|胞衣《えな》会社と書いたものだった。僕は後《うしろ》から声をかけた後、ぐんぐんそ....
」より 著者:芥川竜之介
下宿へはいる路には細い石が何本も敷いてあるでしょう?」 「うん。……」 「あれは胞衣塚《えなづか》ですね。」 「胞衣塚?」 「ええ、胞衣《えな》を埋めた標《しる....
神社合祀に関する意見」より 著者:南方熊楠
しが、無罪放免でその社は合祀を免れたり。その隣村に衣奈《えな》八幡あり。応神帝の胞衣《えな》を埋めたる跡と言い伝え、なかなかの大社にて直立の石段百二段、近村の寺....
渋江抽斎」より 著者:森鴎外
さんで、父は五十三歳、母は四十二歳の時の子である。 成善の生れた時、岡西玄庵が胞衣を乞いに来た。玄庵は父玄亭に似て夙慧であったが、嘉永三、四年の頃|癲癇を病ん....
自由画稿」より 著者:寺田寅彦
れから蜘蛛《くも》や蟹《かに》をきらう人も知人のうちにある。昔からの言い伝えでは胞衣《えな》を埋めたその上の地面をいちばん最初に通った動物がきらいになるというこ....
十二支考」より 著者:南方熊楠
。支那でも初至の天癸から紅鉛を製し、童男女の尿より秋石を煉《ね》り、また新産児の胞衣《えな》を混元毬など尊称して至宝となし、内寵多き輩高価に求め服して身命を亡《....
沼夫人」より 著者:泉鏡花
かなかったが、海鼠のような、またその岩のふやけたような、厭な膚合、ぷつりと切った胞衣のあとの大きな疣に似たのさえ、今見るごとく目に残る、しかも三個。 と考え出....
幻の彼方」より 著者:豊島与志雄
らいい名前だとほめられたのが、お世辞にせよ彼には嬉しかった。麻で結えられた素焼の胞衣壷《えなつぼ》と《えなつぼ》と」]、油紙の大きな汚物袋とが、妙に彼の気にかか....
註文帳」より 著者:泉鏡花
際に蹲った捨吉が、肩のあたりに千草色の古股引、垢じみた尻切半纏、よれよれの三尺、胞衣かと怪まれる帽を冠って、手拭を首に巻き、引出し附のがたがた箱と、海鼠形の小盥....
」より 著者:吉川英治
つに幾らの税だ。――とても食えぬと、他領へ逃げるにも、もし捕れば打首。子を生めば胞衣金、死ねば寺金。――一体、どうしたらいい百姓だ」 と考えた。 飢えて死ぬ....
洛北深泥池の蓴菜」より 著者:北大路魯山人
かないように護る一種の被衣である。 これを水中で見ると、そのかわいい芽が水色の胞衣に包まれている。それは造化の神の教えによって分泌する粘液体である。このぬめぬ....