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胡桃
「胡桃〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胡桃の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
の顔や、練稚児。しゅくしゃ結びに、ささ結び、やましな結びに風車。瓢箪に宿る山雀、
胡桃にふける友鳥…… 「いまはじめて相分った。――些少じゃが餌の料を取らせよう。....
「赤耀館事件の真相」より 著者:海野十三
ある賀茂子爵の鶴のような痩身の隣りには、最高の段位を持つ文士樋口謙氏の丸まっちい
胡桃のような姿を見かけました。五月藻作氏と連れ立った断髪の五月あやめ女史や、女学....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
大理石と櫨の木片を交互に組んだ車輪模様の切嵌。そこを挾んで、両辺の床から壁にかけ
胡桃と樫の切組みになっていて、その所々に象眼を鏤められ、渋い中世風の色沢が放たれ....
「火星探険」より 著者:海野十三
「人間が紙のようにうすっぺらになっちゃ、玉蜀黍《とうもろこし》や林檎《りんご》や
胡桃《くるみ》なんかのように、平面でなくて立体のものは、たべられなくなっちゃうよ....
「鷭狩」より 著者:泉鏡花
もございませんけれど、」と、いや、それどころか、瓜の奈良漬。「山家ですわね。」と
胡桃の砂糖煮。台十能に火を持って来たのを、ここの火鉢と、もう一つ。……段の上り口....
「古狢」より 著者:泉鏡花
子は想像に難くない。欄干に青柳の枝垂るる裡に、例の一尺の岩魚。※と蓴菜の酢味噌。
胡桃と、飴煮の鮴の鉢、鮴とせん牛蒡の椀なんど、膳を前にした光景が目前にある。……....
「革鞄の怪」より 著者:泉鏡花
や、えんこらさ、と攀上った若いものがある。 駅夫の長い腕が引払った。 笛は、
胡桃を割る駒鳥の声のごとく、山野に響く。 汽車は猶予わず出た。 一人|発奮を....
「灯明之巻」より 著者:泉鏡花
返事をする。 「南無、南無、何かね、お前様、このお墓に所縁の方でがんすかなす。」
胡桃の根附を、紺小倉のくたびれた帯へ挟んで、踞んで掌を合せたので、旅客も引入れら....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
が鳴ったが、 「ほう――」 と梟のような声を発した。面赭黒く、牙白く、両の頬に
胡桃を噛み破り、眼は大蛇の穴のごとく、額の幅約一尺にして、眉は栄螺を並べたよう。....
「巴里のキャフェ」より 著者:岡本かの子
の花にも近いというので、界隈の散歩人は入れ代り立ち代り少憩をとる。 「飴を塗った
胡桃の串刺しはいかが?」 「燻製鮭のサンドウイッチ、キァビヤ。――それから焙玉子....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
筋肉たくましく、その小さな頭は頑丈な骨組みの頸によって支えられ、その男性的な手は
胡桃割りを持たずとも
胡桃を割ることが出来そうであり、横から見ると誰でもその袖幅が....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
まだ少年のころはじめて栗鼠射ちで手柄をたてたのは、この渓谷の片側に茂っている高い
胡桃の木の林だった。わたしがその林のなかにはいりこんだのはちょうど午どきで、自然....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
。首尾よく流れを逆に上り切って桃色と白のカフェ・ローポアンで一休み。そこで喰べた
胡桃の飴菓子。 だが日本の通行人は急ぐように見えてもテンポは遅い。それでいて激....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
がら、いきなり立上って中縁のような板敷へ出ましたから。……鵯が南天燭の実、山雀が
胡桃ですか、いっそ鶯が梅の蕾をこぼしたのなら知らない事――草稿持込で食っている人....
「押しかけ女房」より 著者:伊藤永之介
小高い丘に、駈け上つて行つた。 熊笹を折り敷いて、そこにドツカと腰をおろして、
胡桃の枝の間から、下の田圃を眺めやつた。 なるほど、部落の誰彼の姿はそこいらに....