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胱
「胱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胱の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「夫婦善哉」より 著者:織田作之助
ょうか》専門なので、そこで診《み》てもらうと、尿道に管を入れて覗いたあげく、「膀
胱《ぼうこう》が悪い」十日ばかり通ったが、はかばかしくならなかった。みるみる痩《....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
すぐ寝台から離れて、附近の床上に眼を停めた。 その辺一体に、ひしゃげ乾ばった膀
胱みたいなものが、四つ五つ散乱しているのであるが、その一寸程の袋体のものは、杏丸....
「野分」より 著者:夏目漱石
す。おやじは肺病で死にました」 「それは……」と云ったが先生返答に窮した。 膀
胱《ぼうこう》にはち切れるばかり水を詰めたのを針ほどの穴に洩《も》らせば、針ほど....
「わが町」より 著者:織田作之助
の専門医へ行くが良かろうとのことで、島ノ内のK病院が有名だときいて、診せると、膀
胱がわるいという。 十月ばかり通ったが、はかばかしくなおらなかった。みるみる痩....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
手当り次第に廻転さしたり、掻き乱したりしただけで、その最後に胃袋と、大小腸と、膀
胱とを、ほんの形式だけ截り破るなぞ、あらゆる検査の真似型だけを終りますと、普通の....
「化け物の進化」より 著者:寺田寅彦
るが、この説は物理学者には少しふに落ちない。たとえかなり真空になってもゴム球か膀
胱か何かのように脚部の破裂する事はありそうもない。これは明らかに強風のために途上....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
み泉水に赴《おもむ》き各その定めの場について夥しく快げにかつ徐《しず》かにその膀
胱《ぼうこう》を空《あ》くる。その尿|聚《あつま》って末ついに川をなし流れ絶えず....
「棄てる金」より 著者:若杉鳥子
稲田行きの電車に乗り換えた。車内は師走だというのにすいていた。僅かな乗客が牛の膀
胱みたいに空虚な血の気のない顔を並べていた。 彼女も吊皮にぶら垂ったまま、茫然....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
はビールのせいだろう」 「いいえ、けさからそうなのよ。とてもたまらないの。また膀
胱カタルになったと思うのよ。――」 とまで云ったお千は、急に身体をブルブルッと....
「ガリバー旅行記」より 著者:スウィフトジョナサン
い楽器の模様を交ぜています。それから、召使の服装をした男たちは、短い棒の先に、膀
胱をふくらませたものをつけて持ち歩いています。そんな男たちも、だいぶいました。こ....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
さい。今日、この袋はお送りするのですが、おむつではどうしても不潔で細菌が犯し、膀
胱《ぼうこう》カタルを猶悪化させますから。きのう慶応でいろいろ訊いて来たことの一....
「潜航艇「鷹の城」」より 著者:小栗虫太郎
らいでいった。 もはや三十|米近くになると、軟体動物の滑らかな皮膚が、何かの膀
胱のように見えたり、海草は紫ばんだ脱腸を垂らし、緑の水苔で美しく装われている暗礁....
「すっぽん」より 著者:佐藤垢石
くりと取れる。内臓が、そっくりそのまま腹の甲にのって露れる。そこで第一に胆嚢と膀
胱とを除き去らねばならない。もしこれを傷つけると、到底食い物にならないからだ。そ....
「リラの手紙」より 著者:豊田三郎
が劇しすぎたため、排尿が困難になり、文字通り部屋中七転八倒して苦しんでいると、膀
胱が破裂し、危篤に陥入った。久能は勿論、死を覚悟していた。若い精神の本能的な不透....