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胴服
「胴服〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胴服の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雪の白峰」より 著者:小島烏水
山男の鹿の片股、兎、猪の肉など、時々遥々とひさぎに参るべき由、さあらば、熊の皮の
胴服などに、久しく無沙汰の芝居気取など致して見ばやと笑い居候、天長節より時雨つづ....
「天主閣の音」より 著者:国枝史郎
げ乍ら立っていた。それは戸外の光景であった。鏡に写った人物は、八十余りの老人で、
胴服を着し、伊賀袴を穿き、夜目に燃えるような深紅の花を、一茎右手に持っていた。 ....
「神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
ます」 岩を巡って現われたのは、一種異様な老人であった。纏《まと》っているのは
胴服《どうふく》であったが、決して唐風のものではなく、どっちかというと和蘭陀《オ....
「クリスマス・カロル」より 著者:ディケンズチャールズ
いのはなかった。存命中スクルージに親しく知られて居たものも沢山あった。彼は、白い
胴服を着て、踵に素晴らしく大きな鉄製の金庫を引きずっている一人の年寄の幽霊とは生....
「家なき子」より 著者:楠山正雄
ろうか。 やがて往来に足音がした。ボブは帰って来た。わたしの運命が決められた。
胴服を着て油じみたぼうしをかぶったぶこつな顔つきの船乗りが、ボブといっしょに来た....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
いましな。」 二十三 寝衣に着換えさしたのであろう、その上衣と短
胴服、などを一かかえに、少し衣紋の乱れた咽喉のあたりへ押つけて、胸に抱いて、時の....
「宮本武蔵」より 著者:吉川英治
――山侍の一人だった。 だが、寺に勤めている身なので、服装はきちんとしていた。
胴服ともみえ、裃ともみえ、羽織ともみえる物の上に、腰締をむすび、麻袴をはき、足に....
「三国志」より 著者:吉川英治
な戦袍の下に綿衣を厚く着こんだ。 呂布も奥へはいって、妻の厳氏に、肌着や毛皮の
胴服など、氷雪をしのぐに足る身支度をととのえよといいつけた。 厳氏は、良人の容....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
、その人を、正面切って見ることができた。 六十がらみだ。山蚕織のごつい大口袴、
胴服といった姿である。美作の短刀一本、帯の前にたばさみ、腰の坐りもシャンとして折....
「私本太平記」より 著者:吉川英治
言った。 毛利時親だ。加賀田川の渓谷の彼方、千早からは西方二里余の山中である。
胴服に山ばかまの姿を机によせ、今日も独坐の恰好だった。近ごろは、集会の若者たちも....
「銀河まつり」より 著者:吉川英治
が、なかなか物々しい評定ぶりである。 兵助はもう六十に近い温容な山侍で、いつも
胴服の背なかを丸くして、坐禅をくむように手を重ねたきりである。 「これで、揃うた....