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胸骨
「胸骨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
胸骨の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「入れ札」より 著者:菊池寛
浅太郎 ふうん。そうかなあ。式作法は稲荷の兄いに教わったかも知れねえが、あの度
胸骨と腕っ節は、まさか教わりゃしねえだろうねえ。 九郎助 (ちょっと色をかえて)....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
れを外してみた。防弾チョッキの裏は、真綿で蔽ってあったが、よく調べてみると、丁度
胸骨の当るところに、小さなポケットがついていた。僕はその中へ指をさし入れてみた。....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
を詳しく云うと、合わせた形がちょうど二の字形をしていて、その位置は、甲状軟骨から
胸骨にかけての、いわゆる前頸部であったが、創形が楔形をしているので、鎧通し様のも....
「斗南先生」より 著者:中島敦
の手の指を硬くこわばらせ、その指先で、寝衣の襟《えり》から出たこつこつの咽喉骨や
胸骨のあたりを小刻みに顫《ふる》えながら押える。その胸の辺が呼吸と共に力なく上下....
「ドグラ・マグラ」より 著者:夢野久作
の処を左へ半廻転……恥骨の処まで一息に截り下げて参りますと、まず胸の軟骨を離して
胸骨を取除け、両手を敏活に働らかせつつ、胸壁から下へ腹壁まで開いて参りましたが、....
「放浪の宿」より 著者:里村欣三
出された四肢の間一杯に流れ出た。と、支那服の手が、その溢れ出た臓腑をかき分けて、
胸骨の間に辷り込んで、二三度胸壁を指さきで抉ぐると、綺麗に二つの肺臓がはがれて、....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
部屋だな――そう思って、相手のくるぶしに合せて、ぐいと伸びをした時、いつもなら、
胸骨の上あたりを撫でる頸筋の後れ毛が、今夜はずうっと下って、乳辺にあるのに気がつ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
右の肋骨の上を、メスでもってスーッスーッと二本の筋を引いた。それから手でもって、
胸骨を、まるで蓋をとるような塩梅で外した。するとなかからは、肺臓と心臓とが顔を出....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
にも思われる。 それから暫くの後、私はベッドの上に、胸を開いて、仰臥している、
胸骨の骨髄穿刺を受けるためである。 「何でもありませんが、機械が一寸いやな感じで....