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能く
「能く〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
能くの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
は迷惑しない、だからする。」恒藤は又|賄征伐をせず。皿を破り飯櫃を投ぐるは僕も亦
能くせざる所なり。僕問う。「君はなぜ賄征伐をしない?」恒藤答う。「無用に器物を毀....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
した。只の一本でも、無雑作に挙るのが有りませんでしたから、近くに繋ってた船にも、
能く知れますのです。土地の漁師の船も、近くで行ってましたが、奴等は、赤っ腹位捕っ....
「猫と色の嗜好」より 著者:石田孫太郎
知ることが出来るから、不測の危害を与うるようなことはないものである、尤も猫の目は
能く暗夜に光るものであるから、起きて居る時には其必要も無いようであるけれども寝入....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
戦の妙を発揮した。十月十四日大王はホホキルヒで敵に撃破せられたけれども大体に於て
能く敵を圧し、遂にほとんど完全に敵を我が占領地区より駆逐して冬営に移る事が出来た....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
お妙の花を争った時から、早やその影が懸ったのであった。その時はお蔦の機知で、柔|
能く強を制することを得たのだから、例なら、いや、女房は持つべきものだ、と差対いで....
「三枚続」より 著者:泉鏡花
様みてえだな。」 金之助は更めて打頷き、 「有名な先生だ、歌の、そうそう。書も
能くお書きになるぜ。」 「知ッてますよ、手習師匠兼業の奴なんで、媽々が西洋の音楽....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
うな一面の草を※しながら、 「や、ものを言っても一つ一つ谺に響くぞ、寂しい処へ、
能くお前さん一人で来たね。」 女は乳の上へ右左、幅広く引掛けた桃色の紐に両手を....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
して茶の湯を見ることが出来なかったに違いない。 多くは一向其趣味を解せぬ所から、
能くも考えずに頭から茶の湯などいうことは、堂々たる男子のすることでないかの如くに....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
が開かれても、案内を受けて参観した人は極めて小部分に限られて、シカモ多くは椿岳を
能く知ってる人たちであったから、今だにその画をも見ずその名をすらも知らないものが....
「鴎外博士の追憶」より 著者:内田魯庵
を立てる事も早いが、悪いと思うと直ぐ詫まる人だった。 鴎外は人に会うのが嫌いで
能く玄関払いを喰わしたという噂がある。晩年の鴎外とは疎縁であったから知らないが、....
「灰燼十万巻」より 著者:内田魯庵
十年かそこらの日本の雑誌ですらも容易に揃えられないのは雑誌を集めた経験ある人には
能く解る。況してや七十四年間の外国雑誌は長い間に何度も繰返して重複したものを買集....
「斎藤緑雨」より 著者:内田魯庵
体行儀の好い男で、あぐらを掻くッてな事は殆んどなかった。いよいよ坐り草臥びれると
能く立膝をした。あぐらをかくのは田舎者である、通人的でないと思っていたのだろう。....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
「君は島田のワイフの咄を何処かで聞いたろう?」 「どんな話をです?」と、氏の問が
能く呑込めないので訊き返したが、その時|偶っと胸に浮んだのは沼南外遊中からの夫人....
「二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
袋物屋さん下駄屋さん差配さんたるより外仕方が無かったのである。 斯ういう生活に
能く熟している渠等文人は、小説や院本は戯作というような下らぬもので無いという事が....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
髑髏を貫き得たり 犬飼現八 弓を杖ついて胎内竇の中を行く 胆略|何人か
能く卿に及ばん 星斗満天|森として影あり 鬼燐半夜|閃いて声無し 当時武芸前に敵....