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「能動〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

能動の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
一夕話」より 著者:芥川竜之介
命傷《ちめいしょう》もあれば、彼等の害毒も潜《ひそ》んでいると思う。害毒の一つは能動的に、他人をも通人に変らせてしまう。害毒の二つは反動的に、一層《いっそう》他....
「いき」の構造」より 著者:九鬼周造
元性としての媚態は、姿体の一元的|平衡《へいこう》を破ることによって、異性へ向う能動性および異性を迎うる受動性を表現する。しかし「いき」の形相因たる非現実的理想....
日本山岳景の特色」より 著者:小島烏水
る。 以上は、火山を、それ自ら単独のものとして、観察したのであるが、このような能動的な、積極的な、神経が尖って、触覚が鋭敏な火山が、日本アルプスの大山系に潜ぐ....
俳句の精神」より 著者:寺田寅彦
とは思われない。仏教的な無常観から解放された現代人にとっては、積極的な「風流」、能動的な「さび」はいくらでも可能であると思われる。日常劇務に忙殺される社会人が、....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
の万物は皆その影をわれらの官能の中に織り、われらの生命の内部に潜める衝動はこれに能動的に働きかけて認識し、情感し、意欲する。かくて生命はおのれみずからの中に含蓄....
科学論」より 著者:戸坂潤
くなる。芸術は天才の乃至何等かの人間の造ったものだという側面に於て、一種の生産的能動(Poiesis ― Poesie)にぞくし、その限りに於て技術にぞくすると....
省察」より 著者:デカルトルネ
能力があるが、しかし私はこれをば、もし私のうちに、あるいは他のもののうちに、或る能動的な、かかる観念を生産するあるいは実現する能力がまた存在しなかったならば、何....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
人間が植物に変形するといわれても、それは輪廻世界においてのことではない。植物には能動的な行為がないからである。植物は種子を留めぬ限り、同じ生物でも強い個性を持た....
雑文的雑文」より 著者:伊丹万作
すぎなかつたはずであるが、現在では「感心をしない」ということ自身が独立した一つの能動的心理作用にまで昇格してしまつた観がある。 現代の紳士たちは感心しないこと....
あるニュウ・フェイスへの手紙」より 著者:岸田国士
反撥させ、或は関心の外におくというような、非常に微妙な効果を発揮する心身相伴った能動的な力であります。 この「表情」の力は、単純に通俗的な美醜の標準に従ってそ....
新らしき文学」より 著者:坂口安吾
つながる。然し文学は単に変化への、そして時代への追随ではない。変化に方向を与える能動的な役割をなすものが文学であって、時代創造的な意思なくして文学は成り立たぬ。....
地上」より 著者:島田清次郎
。端厳な品位を、一生に一度の熱情の美しさが一斉に内から輝かしたのだ。彼女は俄かに能動的な力を得たように思えた。彼女のこの珍しい美は、厳粛なうちに、充ち溢れる若さ....
ハイカラ考」より 著者:木村荘八
ことだったので、その天皇の御意見、「夫唱婦随」もあったことだろう。それよりも更に能動的・直接には、侍従の島団右衛門あたりの御すすめによって、率先して、おすべらか....
エリザベスとエセックス」より 著者:片岡鉄兵
周囲を見回した。そしてエセックスがはっきり選ばれたのである。エセックス伯は若く、能動的で、華やかだった。 すくなくとも、アントニイはそう思った。――若いくせに....
持ち味を生かす」より 著者:北大路魯山人
のである。家畜のように宛てがわれた食物を無条件に鵜呑みでは、臓器栄養部では充分の能動に事欠くであろう。好むものを食って楽しみ、好みの栄養を摂ってこそ、個性は生か....