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「脅かす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脅かすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
或る女」より 著者:有島武郎
船中では機関室よりも危険な一区域と見なされていただけに、その入り口さえが一種人を脅かすような薄気味わるさを持っていた。葉子はしかしその老人の苦しみもがく姿を見る....
或る女」より 著者:有島武郎
んでいた。葉子は不快きわまる病理的の憂鬱《ゆううつ》に襲われた。静かに鈍く生命を脅かす腰部の痛み、二匹の小魔《しょうま》が肉と骨との間にはいり込んで、肉を肩にあ....
カインの末裔」より 著者:有島武郎
てば。物いうと汝《わ》れもたたき殺されっぞ」 仁右衛門は殺人者が生き残った者を脅かすような低い皺枯《しわが》れた声でたしなめた。 嵐が急にやんだように二人の....
地球発狂事件」より 著者:海野十三
急回頭を終わっていた。先刻までは右舷から差し込んでいた夕陽が、今は反対に左舷から脅かすような光を投げこんでいる。ひどい震動が乗組員たちの足許から匐《は》いあがっ....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
ればならないのは、私の眼前を暗黒にする。 けれどもそれらの不安や失望が常に私を脅かすにもかかわらず、太初の何であるかを知らない私には、自身を措いてたよるべき何....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
たのである。 ただ一つ心係りは、どうして君が時子の呪いのデルタを探し出して私を脅かすようになったかという事である。しかしこれとて今は聴いても何の役にも立たぬこ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
に聞く口笛――それは懐しくなければならない筈のものだったけれど、なぜか青年の心を脅かすばかりに役立った。聞くともなしに聞いていると、なんのことだ、それは彼にも聞....
三人の双生児」より 著者:海野十三
ことであろうか。それは妾の身の上を離れて、真一が背中にもつあの瘢痕の怪奇性が妾を脅かすのであろうか? とにかくそんなことは忘れてしまって、妾は父が手帳の中に書....
地球盗難」より 著者:海野十三
のお話なの。あの先生のお話では、当てにならないわ。よく突飛なことをいって、ひとを脅かすんですもの」 「そうでもないよ。先生は僕たちが知らないような珍らしいことを....
幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
た。 それはそれでいいとして、その次に、この二十四人の生残りの船員たちをひどく脅かすものが残っていた。“人間よりも恐ろしい!”という文句が、一体なにをさしてい....
流線間諜」より 著者:海野十三
ない敵手「右足のない梟」がいて、ピストルに隙さえ見出せるならあべこべに彼の生命を脅かす位置に取代ろうと覘っている。しかもこの場所というのが、敵にとって便利この上....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
説時代が開ける。われ等の生活上の科学を、次の世界を夢想する科学を、われ等の生命を脅かす科学を、その他いろいろな科学を土台として、科学小説はいまや呱々の声をあげよ....
初雪」より 著者:秋田滋
病気ははかばかしく快方に向わなかった。深く侵された両の肺は、どうやら彼女の生命を脅かすようになって来た。 「このままここにこうしておいでになっちゃア、奥さんは寒....
妖怪学」より 著者:井上円了
には、すなわち鼓を鳴らすをやめず、これを攻むるに朱緑の縄索もてす。しかしてこれを脅かす)の文を唱うるなり。 以上は、我人の精神作用に関係すべき理なきこと明らか....
恐怖の幻兵団員」より 著者:大倉燁子
たでしょうし、きっと、口には云えない、いろんな生活をしてきたのでしょう。彼の心を脅かすようなこともなかったとは云われません。 私は一雄の窶れた顔を見ながら、ひ....