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「脈搏〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脈搏の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
言葉を遮《さえぎ》った。 「それがいかんですな。熱はずんずん下《さが》りながら、脈搏は反《かえ》ってふえて来る。――と云うのがこの病の癖なんですから。」 「なる....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
床的でなければならぬ筈《はず》である。しかも彼等は未《いま》だ嘗《かつ》て人生の脈搏《みゃくはく》に触れたことはない。殊に彼等の或るものは英仏の文芸には通じても....
富士」より 著者:岡本かの子
《ほう》り出し、ぐずぐずと水のほとりに坐した。 富士が生ける証拠に、その鼓動、脈搏を形に於て示すものはたくさんあるが、この湧玉の水もその一つであった。朝日がひ....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
まれてしまって、膝は鉛のように気懶《けだる》くなり、ホラこんな具合に、眼の中から脈搏《みゃくはく》の音が聴えてくるのです。そうしますと、眼に映っている事物の線が....
階段」より 著者:海野十三
て博士を抱き起してみたのであるが、博士の身体はグッタリと前にのめるばかりで、もう脈搏も感じなかった。どうしたのかと仔細に博士の身体を見れば、ネクタイが跳ねあがっ....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
胸許にかけ真紅な血を浴びて仰向けに仆れていた。青年は芝草の上に膝を折って、少年の脈搏を調べ、瞼を開いて瞳孔を見たが、もう全く事切れていた。そして身体がグングン冷....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
けれども、その箍骨張りの腰衣に美斑とでも云いたい古典的な美しさの蔭には、やはり、脈搏の遅い饒舌を忌み嫌うような、静寂主義者らしい静けさがあった。が、一座の空気は....
断層顔」より 著者:海野十三
トで表示された。――その七つの曲線は、彼の健康を評価する七つの条件を示していた。脈搏の数と正常さ、呼吸数、体温、血圧、その他いくつかの反応だった。鏡の前に立てば....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
保護人は、収容後十時間を経《へ》るも未だ覚醒《かくせい》せず、体温三十五度五分、脈搏《みゃくはく》五十六、呼吸十四。その他著しき異状を見ず。引続き監視中なり。―....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
いわけでもあるまい」 「ああ、そうだったか。イネ国滅亡の日か。すると、われわれの脈搏にも、今日ばかりはなにかしら、人間くさい涙が、胸の底からこみあげてくるという....
流線間諜」より 著者:海野十三
った。帆村はその人たちを押しのけて前へ出た。そして誰よりも先に、倒れている婦人の脈搏を検べた。――指先には脈が全然触れない。つづいて、眼瞼を開いてみたが……もう....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
るものである。 今のジョヴァンニは、あたかもそういう状態に置かれてあった。彼の脈搏は毎日熱い血潮で波打っていた。彼はベアトリーチェに逢って、彼女を美しく照らす....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
人に見られたら、びっくりしますからな」と言っていた。 一週間の終わりに、瞳孔や脈搏を調べたり、摂食や歩行のことを厳格に注意された上で、ヘザーレッグは私を引き取....
バットクラス」より 著者:岡本かの子
だ。 もっと既にこの時世界の不況は大英の財界にも押し寄せて来て、彼の顧問会社の脈搏不整はこの偉れた財政家に騎士時代の革財布を丹念に繕うような閑道楽を許さなくな....
戦争史大観」より 著者:石原莞爾
疲れ勝ちで遂に初志を貫きかねた。漢口駐屯時代に徐州で木炭中毒にかかり、それ以来、脈搏に結滞を見るようになり、一時は相当に激しいこともあり、また漢口から帰国後、マ....