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「脈絡〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脈絡の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
富士」より 著者:岡本かの子
その山は北の方から南へ向けて走る大きな山脈の、脈端には違いないのだが、繋がる脈絡の山系はあまりに低いので、広い野に突禿《とつとく》として擡《もた》げ出された....
幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
通り天罰を受ける元に成ったのです」 理を推し情を尋ねて云う言葉、一々に順序あり脈絡あり、そうでなしと争う可き余地もない程に述べ来るは全く熱心の迸《ほとば》しり....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
の二枚は、有名なオットー三世福音書の中にある插画なんだよ。そうなると、そこに何か脈絡でもあるのかな」と小首を傾げながら、試みに扉を押したが、それは微動さえもしな....
骨董」より 著者:幸田露伴
通用しない。骨董が重んぜられ、骨董蒐集が行われるお蔭で、世界の文明史が血肉を具し脈絡が知れるに至るのであり、今までの光輝がわが曹の頭上にかがやき、香気が我らの胸....
天馬」より 著者:金史良
ようにして再び人混みの中へ出て来た。その時彼は自分の恰好からか不意にそれといった脈絡もなしに十字架を負えるキリストを憶い出し、自分にもその殉教者的な悲痛な運命を....
「花妖」作者の言葉」より 著者:坂口安吾
法は近代文学のあたりまえの型ですが、少しずつ毎日に分けて読む新聞小説では、前後の脈絡をたどるに不便ですから、余り試みられたことがなかったようです。 作者は敢て....
北斎と幽霊」より 著者:国枝史郎
線描写とその奇抜な取材とは、古今東西に比を見ずといわれ、ピカソ辺りの表現派絵画と脈絡通ずるとまで持て囃されているが、それは大正の今日のことで、北斎その人の活きて....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
である。しかしここで仮りに救って考えれば、一閃の光線によって照しだされたところに脈絡がある。統合がある。わたくしはいつになってもこの断片的なものを溺愛する。 恐....
沙漠の古都」より 著者:国枝史郎
うのも、やっぱり脅迫の意味からで、すなわち燐光の怪獣と、不正財宝の間には何らかの脈絡があるのだろう。それを市長が見た以上厭でも応でも脅迫者の自由にならなければな....
歌の円寂する時」より 著者:折口信夫
いが、短歌は、亦病的な程である。概念的叙述のみか、概念をとりこんでも、歌の微妙な脈絡はこわれ勝ちなのである。近代生活も、短歌としての匂いに燻して後、はじめて完全....
山越しの阿弥陀像の画因」より 著者:折口信夫
。此には、山越し像と、来迎図との関聯、来迎図と御迎講又は来迎講と称すべきものとの脈絡を説いて、中世の貴族庶民に渉る宗教情熱の豊けさが書かれている。唯一点、私が之....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
るので、興味に駆られてウカウカ読んでる時はほぼ輪廓を掴んでるように思うが、細かに脈絡を尋ねる時は筋道が交錯していて彼我の関係を容易に弁識し難い個処がある。総じて....
山椒魚」より 著者:岡本綺堂
僕にはまるで見当がつかなかった。かの悪いたずらと変死事件とのあいだに、なんらかの脈絡があるかないか、それはすこぶる研究に値する問題であるとは思いながらも、その当....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
過程に跨がって作られてるから、第一編と第二編と第三編と、各々箇立していて一貫する脈絡を欠いている。が、各々独立した箇々の作として見ても現代屈指の名作たるを少しも....
ファウスト」より 著者:ゲーテヨハン・ヴォルフガング・フォン
忽ちなんとも言えぬ歓喜が漲る。 青春の、神聖なる生の幸福が新に燃えるように 己の脈絡や神経の中を流れるのが分かる。 この符を書いたのは神ではあるまいか。 己の内....