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脊柱
「脊柱〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脊柱の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「雌に就いて」より 著者:太宰治
「背中のほうで水の流れるような音がした。ぞっとした。かすかな音であったけれども、
脊柱の焼けるような思いがした。女が、しのんで寝返りを打ったのだ。」 「それで、ど....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
と、速水輪太郎氏はやおら腰を伸ばして、ツーンと立った。しかし見れば気の毒なくらい
脊柱が曲り、早く云えば著しい猫背だった。そのとき五燭ぐらいの薄明りに、始めて彼の....
「地球盗難」より 著者:海野十三
間のように二個ではなくて、三個であった。その三個の眼玉の間隔はたいへん離れていて
脊柱(もし有るならば)を中心として約百二十度ずつ開いた角度のところに嵌まっていた....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。そこで僕は、エルブ点反射を憶い出しました。それは、上膊を高く挙げると肩の鎖骨と
脊柱との間に一団の筋肉が盛り上ってきて、その頂点に上膊神経の一点が現われるのです....
「野球時代」より 著者:寺田寅彦
破れ始める日の幻を心に描くことさえできるような気がしたのである。 その曲がった
脊柱のごとくヘテロドックスなこの老学者がねずみの巣のような研究室の片すみに、安物....
「思想と風俗」より 著者:戸坂潤
な宗教復興としてではなく単に神学復興の一つの場合として現われている。哲学の合理的
脊柱の喪失、実証的科学への不信が、小ブルジョア・インテリの思想組織を駆って、超実....
「光のない朝」より 著者:宮本百合子
おもんが、監督の黒い制服を着、
脊柱が見えそうに痩せさらぼいた肩をかがめて入って来ると、どんな野蛮な悪戯《いたず....
「鎖骨」より 著者:寺田寅彦
安静にして、そうして脈搏を数えなければならないそうである。そうして危険になったら
脊柱に針を刺して水を取ったりいろいろのことをしなければならないそうである。 自....
「自由画稿」より 著者:寺田寅彦
の寸法を計って、それから割り出して灸穴《きゅうけつ》をきめるのであるが、とにかく
脊柱《せきちゅう》のたぶん右側に上から下まで、首筋から尾※骨《びていこつ》までた....
「青年」より 著者:森鴎外
煙管で煙草を飲みながらこっちをちょいちょい見る。ひょいと島田髷を前へ俯向けると、
脊柱の処の着物を一掴み、ぐっと下へ引っ張って着たような襟元に、尖を下にした三角形....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
グシャツはうすねずみ色に汗と垢がしみついており、体を伸ばす度に、たくましい皮膚と
脊柱がみえた。荷物の受け渡しに手先がふれ合った。ガサガサした固い指で、やはり爪垢....
「魔都」より 著者:久生十蘭
とは極めて容易であるばかりでなく、壁に写っていた服の背筋の歪みによって、この者は
脊柱側彎の欠陥体質をもっていることも明瞭に判るのです」
「しかし、どういう根拠か....
「作家としての小酒井博士」より 著者:平林初之輔
大切であるが、探偵小説《ディテクティブストーリー》においては、筋がわけても作品の
脊柱《せばしら》となる。そして読者の注意を作者の意のままにひっぱりまわして、最後....
「帝大聖書研究会終講の辞」より 著者:矢内原忠雄
学ぶ学生は日本人の普通以上のレベルをもった精選された者であって、日本の頭脳であり
脊柱たるべき者である。従って之に高き学問を教育し、深き人格を涵養するは日本国を高....
「イグアノドンの唄」より 著者:中谷宇吉郎
の腕の先に羽がついたような怪異な恰好《かっこう》になっている。更に著しい特徴は、
脊柱《せきちゅう》がずっと尾鰭《おびれ》の真中をつき抜けて伸び出ていることである....