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「脊梁〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脊梁の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
海に生くる人々」より 著者:葉山嘉樹
めに餓死しなければならないのであった。 彼の村は、山陽道と山陰道を分ける中国の脊梁《せきりょう》山脈の北側に、熊笹《くまざさ》を背に、岩に腰をおろしてもたれか....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
のは五十ぐらいの年配で、色の少し黒い、頬骨《ほおぼね》がやや高くて、口は結んで、脊梁骨《せきりょうこつ》がしゃんと聳《そび》え、腰はどっしりと落着いて、じっと眼....
キチガイ地獄」より 著者:夢野久作
た文化人の住居に違いない。しかも、それでいてその位置はというと、確かに、北海道の脊梁山脈の中でも、人跡未踏の神秘境に相違ないのだから、その一軒家が何人の住家であ....
怪異考」より 著者:寺田寅彦
走る断層線で中断されたものである。さらにまたこの海峡の西側に比べると東側の山脈の脊梁は明らかに百メートルほどを沈下し、その上に、南のほうに数百メートルもずれ動い....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
縁の偃松は、山の峰へ峰へと、岩石を乗り越え、岩壁の筋目へと喰い入り、剃刀のような脊梁を這って、天の一方へと、峰のそそり立つところまで、這い上っている、偃松の中に....
涼味数題」より 著者:寺田寅彦
おいて温帯に位していて、そうして細長い島国の両側に大海とその海流を控え、陸上には脊梁山脈がそびえている。そうして欧米には無い特別のモンスーンの影響を受けている。....
物売りの声」より 著者:寺田寅彦
なると徳島からやって来た千金丹売りの呼び声もその一つである。渡り鳥のように四国の脊梁山脈を越えて南海の町々村々をおとずれて来る一隊の青年行商人は、みんな白がすり....
蒲生氏郷」より 著者:幸田露伴
勢の南へ廻って立切った日には、西には小野田の城が有って、それから向うは出羽奥羽の脊梁《せきりょう》山脉に限られ、北には岩出山の城、東北には新田の城、宮沢の城、高....
鵞鳥」より 著者:幸田露伴
のだ。客はギクリとしたようだったが、さすがは老骨だ。禅宗の味噌すり坊主のいわゆる脊梁骨を提起した姿勢になって、 「そんな無茶なことを云い出しては人迷わせだヨ。腕....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
湖面を眺めやった時――壺中の白骨《しらほね》の天地から時あって頭を出して、日本の脊梁《せきりょう》であるところの北アルプスの本場をお雪ちゃんは眺めあかしておりま....
三国志」より 著者:吉川英治
と呼びならわしていたのは、現今の青海省地方――いわゆる欧州と東洋との大陸的境界の脊梁をなす大高原地帯――の西蔵人種と蒙古民族との混合体よりなる一王国をさしていっ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
そして美作境へ向っても、山陽道へ出ても、それから先は、一路出雲まで中国山脈の脊梁と聞く、その山波が、誰の旅寝の夢にもあった。 道中、夕は早くに、朝は早立ち....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
氏ノ社であり、海の神社として知られている厳島の神が、熊本県から宮崎県にわたる九州脊梁の人煙も稀れな山間に村社としてあるというだけでも、流亡平家の末裔たちの実存を....
黒田如水」より 著者:吉川英治
四囲の青葉が遮ってくれている。それに城内でもここの位置は最も高いので、中国山脈の脊梁から吹いてくるそよ風が鬢の毛や、懐を弄って、一刻の午睡をむさぼるには寔に絶好....
黒部川奥の山旅」より 著者:木暮理太郎
余韻を偲ばせている。 それのみではない。日本の屋根ともいう可き北アルプスの二大脊梁――東西に平行して南北に縦走する立山山脈と後立山山脈――の大棟を辷り落ちる無....