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脊髄
「脊髄〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脊髄の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
れると、そのほうに素早《すばや》く目を転じたが、その物すごい不気味《ぶきみ》さに
脊髄《せきずい》まで襲われたふうで、顔色をかえて目をたじろがした。
「岡さん。わ....
「星座」より 著者:有島武郎
の学生たちも今だに心おきなく遊びに来たりするのだった。
父はおぬいの十二の時に
脊髄結核《せきずいけっかく》にかかって、しまいには半身|不随《ふずい》になったの....
「失楽園殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
において幹枝の心身には、果して期せるが如く痛ましき変化を来たせり。即ち、螺旋菌の
脊髄中に入りしためにして、運動に失調起り下腹部に激烈なる疼痛現われて、幹枝の幻想....
「気狂い機関車」より 著者:大阪圭吉
ていません。勿論他殺です。死因は後頭部の打撲傷に依る脳震盪で、御覧の通り傷口は、
脊髄に垂直に横に細く開いた挫傷で、少量の出血をしております。加害者は、この傷口や....
「金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
いる姿を想像した。ついでにそれが秀江の姿でもあることを想像した。すると熱いものが
脊髄の両側を駆け上って、喉元を切なく衝き上げて来る。彼は唇を噛んでそれを顎の辺で....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
りやすいものであるに相違ないのだ。ところが支倉君、眼を覆われて斃される――それが
脊髄癆なんだよ。しかも、第一期の比較的目立たない徴候が、十数年にわたって継続する....
「人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
大きな風呂敷包を、背負って居ります。どうやら羊か何からしく、X線をかけると、長い
脊髄骨が見えました」 「羊の肉は、あまり感心しないが、糧食難の折柄じゃ、贅沢もい....
「異国食餌抄」より 著者:岡本かの子
トラントまで数えたてたら、巴里のレストラントは一体何千軒あるか判らない。 牛の
脊髄のスープと云ったような食通を無上に喜ばせる洒落た種類の料理を食べさせる一流の....
「頭髪の故事」より 著者:井上紅梅
予約した。しかしここらの人達は一体何を与えられたか。 おお、造物の皮鞭が中国の
脊髄の上に至らぬ時、中国はすなわちとこしえにこの一様の中国である。それ自身は決し....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
たのではないかと云われている。 大戦当時、伯耳義で独逸兵の輪姦をうけた彼女は、
脊髄に変化が起って、歩くのにも異様なガニ股である。しかも、歯がないせいか、顔が奇....
「人魚謎お岩殺し」より 著者:小栗虫太郎
きなり血のさわぎを覚えて、儀右衛門は吾となく、胸をかきむしった。氷のような悪寒が
脊髄を貫き走った。 彼は自分の血管の中に、木を噛む虫のような音を聴いたのである....
「妖怪玄談」より 著者:井上円了
足を動かすがごとき、みな反射作用なり。かくのごとき反射作用は、神経組織中の延髄、
脊髄より生ずるものにして、大脳より生ずるものにあらず。大脳は感覚、知覚の中枢にし....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
を列べ、而して表玄関の受附には明治の初年に海外旅行免状を二番目に請取って露国の脳
脊髄系を縦断した大旅行家の嵯峨寿安が控えていた。揃いも揃って気骨稜々たる不遇の高....
「西航日録」より 著者:井上円了
じ、いわゆる沃野千里なるもの、清国の富源また実にこの間にあり。しかして楊子江その
脊髄となり、シャンハイその脳髄に当たるもののごとし。それ楊子江は世界無二の大河に....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
怒りとなってかの煙に注がれた。みるみる身体が熱くなって今迄に覚えない逞しい生気が
脊髄を突き上げて来た。おお! 富士が生きていて活気を吐いているのだ。おお! 死灰....