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脱出
「脱出〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脱出の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
ら高等学校、高等学校から大学と幾つかの学校を通り抜けることは僅《わず》かに貧困を
脱出するたった一つの救命袋だった。尤も信輔は中学時代にはこう言う事実を認めなかっ....
「デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
失いし多くのもののなかに、かの国にとり最大の損失と称すべきものはユグノー党の外国
脱出でありました。しかして十九世紀の末に当って彼らはいまだなおその祖先の精神を失....
「時代閉塞の現状」より 著者:石川啄木
》なくその美しさを発揮しているかを。 かくて今や我々青年は、この自滅の状態から
脱出するために、ついにその「敵」の存在を意識しなければならぬ時期に到達しているの....
「海底大陸」より 著者:海野十三
としてもかれの意識をよみがえらせねばならない。そして、少年がどうしてメリー号から
脱出して海上にただようようになったか、そのわけを聞かせてもらわねばならないのだ。....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
六号艇の漂流者たちのなかに身を投じ、ともに苦しみともにはげましあって、この危機の
脱出に協力したかった。 だが、そんなことはゆるされない。艇外へとびだしたとて、....
「宇宙の迷子」より 著者:海野十三
えながら飛んでいるんだ」 くらやみの中に千ちゃんのこえがひびいた。 危機
脱出 「へえっ、あれが、いん石かい。すごいなあ」 あまりものにおどろいたことの....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
とおり健康です。博士がいわなければ、こっちからいいましょう。われわれは、ドイツを
脱出してはるばる日本へ赴くのでしょう。どうです、当ったでしょう」 僕は博士の返....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
うですね。もう一つあります。竜造寺兵曹長は、そのふしぎな魔の空間にすべりこんで、
脱出ができないのだと思います。しかし一命にはさしつかえはないと思う。なにしろそこ....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
きた潜水艦ホ型十三号の艦内であった。 艦は巧みなる潜航をつづけ、北東へずんずん
脱出してゆくうち、いつしか夜はほのぼのと明け放れた。 柳下航空兵曹長は、目ざめ....
「政談十二社」より 著者:泉鏡花
衝と来たお米、素足のままで、細帯ばかり、空色の袷に襟のかかった寝衣の形で、寝床を
脱出した窶れた姿、追かけられて逃げる風で、あわただしく越そうとする敷居に爪先を取....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
によりて培われ、過去の悪業に伴える、もろもろの重荷が充ちみちている。この地獄から
脱出すべき唯一の途は、ただ踵をかえして正道に戻り、正しき神の教に基きて、よき生活....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
月七日の条に、「ボナパルトが、再び自由を得た(すなわちナポレオン一世がエルバ島を
脱出したことを指す)由なるも、自分は政治家でないから別に心配もしない。しかし、多....
「卵塔場の天女」より 著者:泉鏡花
る中に、黄螺の女房といってね、くるくると巻いた裾を貝から長々と曳いて、青い衣服で
脱出した円髷が乱れかかって、その癖、色白で、ふっくりとした中年増が描いてあったが....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
戦は遂に持久戦争に陥り、タンク、毒ガス等の使用により、各交戦国は極力この苦境より
脱出せんと努力せるも、目的を達せずして戦争を終れり。 五 長期戦争は現今、戦争の....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
さんは広東の中山大学の文学部長であったのだが、蒋介石の乱暴にとても堪えられないで
脱出して上海へ来られたのであって、十月三日に着いて共和旅館に宿泊中であったのだが....