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「脱皮〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

脱皮の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
石狩川」より 著者:本庄陸男
いるのであった。阿賀妻をとおした伊達邦夷の家臣から堀大主典を通じた開拓使の役人と脱皮するのだ。あるいは彼の身体は、ぽいと投げ渡されつつあるのかも知れない。 「世....
トカトントン」より 著者:太宰治
は局員たちを相手にキャッチボールをはじめました。へとへとになるまで続けると、何か脱皮に似た爽やかさが感ぜられ、これだと思ったとたんに、やはりあのトカトントンが聞....
悟浄出世」より 著者:中島敦
、結局、分かったということなのか? どうも曖昧《あいまい》だな! あまりみごとな脱皮《だっぴ》ではないな! フン、フン、どうも、うまく納得《なっとく》がいかぬ。....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
ありましょう。 四十七 胆吹の女王が、今や、山科の地主にまで脱皮しつつあるということを突きとめたのは、宇津木兵馬として、骨の折れることではあ....
燃ゆる頬」より 著者:堀辰雄
の性格にいちじるしい影響を与えずにはおかなかった。それによって、私の少年時からの脱皮は、気味悪いまでに促されつつあった。 寄宿舎は、あたかも蜂《はち》の巣のよ....
新たな世界主義」より 著者:豊島与志雄
、日本は急激に変りつつある。本質的にはあまり変っていないと言う人もあるが、然し、脱皮の意欲と努力とは真実なものである。是非とも脱皮しなければならないのだ。もしこ....
ヒロシマの声」より 著者:豊島与志雄
来、広島は軍部に依存した所謂軍都であった。それが新たに、文化都市へ更生せんとする脱皮の悩みもある。それでも、多くの市民たちは、平和都市計画のために必要な私有土地....
「草野心平詩集」解説」より 著者:豊島与志雄
って来られたものではない。蛙自体が成長して、やがて、人間と肩を並べる。蛙の本質的脱皮だ。蛙はあくまでも蛙だが、もはや昔日の蛙ではない。そこに、一つの世界が創造さ....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
および命令を発す)とともに、自由主義で表面を糊塗《こと》した。それは蛇《へび》の脱皮であった。 人間はナポレオンによって同時に大きくされ、また小さくされていた....
自由人」より 著者:豊島与志雄
昔話には、蛙が内臓を口から吐き出して洗濯するということがある。蛇は実際にしばしば脱皮する。俺にだってそれぐらいなことは出来るだろう。だがいざとなると、やはり未練....
安吾巷談」より 著者:坂口安吾
多くの「女房」がそうで、オサンドン的良妻、家庭の働く虫的なものから個性的なものへ脱皮しようとする欲求を殆ど持っていない。 未婚時代はとにかく、ひとたび女房とな....
九条武子」より 著者:長谷川時雨
》くかわれの この人に寿《ことほぎ》あって、今すこし生きぬいたらば、自分から脱皮し、因襲をかなぐりすてて、大きな体得を、苦悩の解脱《げだつ》を、現《あき》ら....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
いた。 自己の肉体に起った大きな変化のために、彼は著しい疲労を覚えた。よく蚕が脱皮する前後に眠るように、彼も眠を貪った。 彼の怖れたことは永遠に眠り込んでし....
澪標」より 著者:外村繁
親戚の家に下宿し、学校へも比較的よく出席している。性欲に対しても、一応、苦悩期を脱皮し得たのであろう。時には遊廓へ行くこともあるらしいが、最早、感情を乱すような....
所謂批評の「科学性」についての考察」より 著者:戸坂潤
。だが、そういう言葉が許されるのも、主観的制限を主観みずから何とかして出来る限り脱皮しようという努力と、無意識的にせよ組織的にせよ、試みた上でのことだ。主観的制....