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脳膜
「脳膜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
脳膜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「芽生」より 著者:島崎藤村
関する一節を私に訳して聞かせた。お房の苦んでいる熱は、腸から来たものではなくて、
脳膜炎であること――七歳の今日まで、お房はお房の生き得るかぎりを生きたものである....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
にいろいろなことがあった。 ◯まず弟佑一君が死んだ。三月二日のこと。病名は結核性
脳膜炎。発病後三週間余にて、あわただしく逝った。あんな善人に、天はなぜ寿命をかさ....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
水は昂然と云い放った。「恐らくその中には、心筋質肥大のようなものや、あるいは、硬
脳膜矢状縫合癒合がないとも限りません。けれども、それが対称的に抽象出来るというの....
「家」より 著者:島崎藤村
そうです」と女教師は言った。 お房が病んだ熱は、腸から来たもので無くて、実際は
脳膜炎の為であった。それをお雪は女教師に話し聞かせた。白痴児として生き残るよりは....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
御承知ください」 老嫗の妖 清の乾隆二十年、都で小児が生まれると、驚風(
脳膜炎)にかかってたちまち死亡するのが多かった。伝えるところによると、小児が病い....
「碁の手直り表」より 著者:菊池寛
あった。自分は、また大勝した。しかし、ちっとも愉快でなかった。 もうこの頃は、
脳膜炎の兆候があったのである。八日の日に、大学へ診察を受けに行ったが、始終頭痛が....
「追憶の医師達」より 著者:寺田寅彦
恥ずかしかったのである。 五、六歳の頃好きな赤飯を喰い過ぎて腹をこわした結果「
脳膜※衝」という病気になって一時は生命を気遣われたが、この岡村先生のおかげで治っ....
「生と死との記録」より 著者:豊島与志雄
ょうか。よくなっても馬鹿になるようなことはないでしょうか。」 「ええ大丈夫です。
脳膜炎を起したのではありませんから。」 私は、U氏からじっと見つめられて恥しく....
「町内の二天才」より 著者:坂口安吾
ち負かすことのできる滅法強い子供をな。しかし、なんだな。見たところは甚だ貧弱で、
脳膜炎をわずらったことがあるようなナサケないガキがいいなア。この町へつれてきて、....
「水鳥亭」より 著者:坂口安吾
走って、バッタリ倒れて、こときれたのである。医者がみたわけではないが、野口は馬の
脳膜炎だと人に話した。 その後、小さな町工場をやって、今や首くくりというドタン....
「血液型殺人事件」より 著者:甲賀三郎
。それは当時ホンの僅かに脳裏を掠めた事に過ぎなかったのだが、その事実はふと適時に
脳膜上に閃めいたのだ。 一酸化炭素の発生法はそんなにむずかしくはない。然し、そ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
蓋が、医師の手許の方へ開いた。パカッというような音がし、それにつづいてパリパリと
脳膜が剥がれる音が聞えた。 お椀のような頭蓋骨が、下に落ちると、頭蓋腔の中から....
「長島の死」より 著者:坂口安吾
。 電報によって赴いてみると、今度は自殺ではなかった。脳炎という病気であった。
脳膜炎どころの話ではなく、膜を通り越して完全に脳そのものをやられているのだという....
「安死術」より 著者:小酒井不木
つつもがく有様を見ては、心を鬼にしなければ、強心剤を与えることは出来ません。又、
脳膜炎に罹って意識を失い、疼痛だけを激烈に感ずるらしい患者などは、万が一にすらも....
「猫と村正」より 著者:小酒井不木
か」と私は心配してたずねました。 「いいえ、残念ながら腫瘍が脳を冒しまして、急性
脳膜炎を併発しましたから、とても恢復は望めません」 私は脳天に五寸釘を打こまれ....