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腋下
「腋下〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腋下の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「皮膚と心」より 著者:太宰治
て体操できず泣き出しそうになって、それに、いま急激にからだを動かしたせいか、頸と
腋下《わきした》の淋巴腺《りんぱせん》が鈍く痛み出して、そっと触ってみると、いず....
「ロマネスク」より 著者:太宰治
りかたにもこつのあることを発見した。すなわち腕を、横から大廻しに廻して殴るよりは
腋下からピストンのようにまっすぐに突きだして殴ったほうが約三倍の効果があるという....
「吾輩は猫である」より 著者:夏目漱石
には不思議にも中庸を失した点が多い。舌上《ぜつじょう》に竜泉《りゅうせん》なく、
腋下《えきか》に清風《せいふう》を生《しょう》ぜざるも、歯根《しこん》に狂臭《き....
「野分」より 著者:夏目漱石
らんとする間際《まぎわ》になおなお烈《はげ》しくなった。ヴァイオリンを温かに右の
腋下《えきか》に護《まも》りたる演奏者は、ぐるりと戸側《とぎわ》に体《たい》を回....
「髪切虫」より 著者:夢野久作
に 大御心 ひらけ浮かれて 歌宴して 舞ひ給ふとて
腋下の おん渦巻毛 こと/″\く 抜かせ給ひて かの虫....
「麻雀殺人事件」より 著者:海野十三
死であることが明瞭となった。絶命してから、まだ一時間と経っていないことは、屍体の
腋下にのこる生ま温い体温や、帆村の参考談から、証明された。しかしどんな毒物が用い....
「黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
して、背後から足台を、博士の膝膕窩に衝突させる。と、波が横から潰されて、ほとんど
腋下に及ぶほどの高さになってしまう。と同時に、いわゆるイエンドラシック反射が起っ....
「雪之丞変化」より 著者:三上於菟吉
しは、うれしい――苦しい――切ない! 雪之丞どの」
「浪路さま!」
雪之丞の、
腋下からは、冷たい汗が、しとどに流れ落ちて来る――
――ああ、何という浅間しい....
「妾の半生涯」より 著者:福田英子
体温にて暖め、なお妾と互い違いに臥《ふ》して妾の両足《りょうそく》をば自分の両|
腋下《えきか》に夾《はさ》み、如何《いか》なる寒気《かんき》もこの隙《すき》に入....
「南国太平記」より 著者:直木三十五
らいに暖かい肌、汗ばんでいる肌に、興奮を感じながら、深雪が脇差を落すと共に、左の
腋下へ、素早く手を廻して、背から、抱き込んだ。
「畜生っ」
庄吉は、真赤になっ....
「肉腫」より 著者:小酒井不木
であると知りながらも、私は彼の言葉に従わざるを得なかった。で、私は、右肩から左の
腋下にかけて、胸部一面に繃帯をした軽い身体の背部に手を差し入れ、脳貧血を起させぬ....
「せいばい」より 著者:服部之総
のない胴が一つに縫い合わされて、こんどは改めて、はじめ袈裟切りにした下方の部分、
腋下から斬る。これを「脇毛」とも「一の胴」ともいう。ついで、また縫い合わせたうえ....
「日を愛しむ」より 著者:外村繁
自動車から荷物を運んだ。 素子は乳癌にかかった。その上、発見が遅れたため、癌は
腋下から頸部にまで転移してい、二度の手術と、放射線の治療を受けた。しかし放射線の....
「落日の光景」より 著者:外村繁
十二を足してみる。自分の年齢にも足してみる。しかし妻の場合は、病気の発見が遅れ、
腋下にも転移している。更に築地で全部|剔出《てきしゅつ》したわけでもない。私が十....
「グーセフ」より 著者:神西清
腕に吊繃帯をして、手頸から先はすっかり繃帯で隠れている。だから彼は、骨牌札を右の
腋下か、さもなければ、曲げた肘の間に挾んで、左手で出し入れをする。船はひどく揺れ....