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腐る
「腐る〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腐るの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カインの末裔」より 著者:有島武郎
。つぐみとしじゅうからとが枯枝をわたってしめやかなささ啼《な》きを伝えはじめた。
腐るべきものは木の葉といわず小屋といわず存分に腐っていた。
仁右衛門は眼路《め....
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
降る」 お時が言った通り、ことしの梅雨は雨の量が多かった。 ここらの藁屋根が
腐るほどに毎日降った。陽《ひ》というものがまるで失《な》くなってしまったのではな....
「食魔」より 著者:岡本かの子
に飲み足らうことができない。結局損な飲ませ方なのだ。罎詰のビールなぞというものは
腐るものではないから余計とって置いて差支えない。よろしく気持の上の後詰の分として....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
ある。 葡領東アフリカの首都モザンビイクは、いま雨期のまっ盛りにある。 人が
腐る、黒人の膚からは白髪のような菌がでる――そういう、雨期特有のおそろしい湿熱が....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
この唾をかッと吐掛けたれば、この一呪詛によって、あの、ご秘蔵の長靴は、穴が明いて
腐るでしゅから、奴に取っては、リョウマチを煩らうより、きとこたえる。仕返しは沢山....
「もくねじ」より 著者:海野十三
「まあ、きたないねじ釘ね。その青いものは毒なのよ。そんなものを持っていると手が
腐るから捨てちゃいなさい」 「まあ……」 ぼくは、ぽいと捨てられてしまった。そ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
へです。」 糸七は聞くより思わず戦いた。あの青大将が、横笛を、臭を浴びても頬が
腐る、黒い舌に――この帯を、背負揚を、襟を、島田を、緋の張襦袢を、肌を。 「あな....
「死者の書」より 著者:折口信夫
来ては居なかったのだな。ああよかった。おれのからだが、天日に暴されて、見る見る、
腐るところだった。だが、おかしいぞ。こうつと――あれは昔だ。あのこじあける音がす....
「一週一夜物語」より 著者:小栗虫太郎
のでした。町は、兵士の発砲以来、廃墟のようになりました。雨が降る、汗が蒸し暑さに
腐るように匂う――、事の起りはそういう晩だったのです。 そうそう、宿は「|神主....
「虎」より 著者:岡本綺堂
か。」 「当ったそうだ。おまけにこの虎猫は奥山の鯨とちがって、生きているのだから
腐る気づかいはない。せいぜい鰹節か鼠を食わせて置けばいいのだ。それで毎日大入りな....
「書籍の風俗」より 著者:恩地孝四郎
の、特に硬直背は釘とじ式のものに適応するわけである。(釘とじは、針金などの金属が
腐るのを避けて麻糸等によるものがある。之は針金とじというよりも、やはり総称である....
「深川女房」より 著者:小栗風葉
に急いでもいやしないけどね」 「急がなくたって、何もこれ、早くくれてしまわなきゃ
腐るてえものでもねえんだからな」 「当り前さ、夏のお萩餅か何ぞじゃあるまいし……....
「チベット旅行記」より 著者:河口慧海
乾肉にするのです。チベットは寒国でございますからその肉を干して置いたところで別段
腐るということもない。その乾肉の旨いことはチベット人のいうところに依るとこれほど....
「北海道に就いての印象」より 著者:有島武郎
しそうなものだといらいらしながら思う頃に、又空が雪を止度なく降らす時などは、心の
腐るような気持になることがないではないけれど、一度春が訪れ出すと、その素晴らしい....
「空中征服」より 著者:賀川豊彦
。 見物人は、賀川豊彦が死んだのを見て大声に笑った。 「ざま見ろ、あまり威張り
腐るから殺されてしまったのだよ! よい加減にしておれば殺されはしなかったものを」....