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「腐敗〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐敗の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
も、瓶《ほたり》の酒も、乃至《ないし》寝床の桃の花も、ことごとく忌《いま》わしい腐敗の※《におい》に充満しているとしか思われなかった。殊にあの十六人の女たちは、....
或る女」より 著者:有島武郎
はその老人に引きずられてでも行くようにどんどん水夫部屋の中に降りて行った。薄暗い腐敗した空気は蒸《む》れ上がるように人を襲って、陰の中にうようよとうごめく群れの....
或る女」より 著者:有島武郎
くなった。二人《ふたり》は、はた目には酸鼻《さんび》だとさえ思わせるような肉欲の腐敗の末遠く、互いに淫楽《いんらく》の実《み》を互い互いから奪い合いながらずるず....
星座」より 著者:有島武郎
した広東豆(南京豆のこと)の殻が気味悪くつぶれて音をたてた。車内の空気はもとより腐敗しきって、油燈の灯が震動に調子を合わせて明るくなったり暗くなったりした。....
戦争中止を望む」より 著者:伊丹万作
い戦局を見せつけられ、加うるに低劣無慙なる茶番政治を見せつけられ、なおそのうえに腐敗の極ほとんど崩壊の前夜ともいうべき官庁行政を見せつけられ、なおかつ戦意を失わ....
かんかん虫」より 著者:有島武郎
三つとを持って、船の二重底に這い込み、石炭がすでに真黒になって、油の様にとろりと腐敗したままに溜って居る塩水の中に、身体を半分浸しながら、かんかんと鉄※を敲き落....
大脳手術」より 著者:海野十三
始めた。記憶も薄れて行く。こんなことでは、本来の自己の最後の財産である脳髄までが腐敗を始め、やがて絶対の無と化してしまいそうだ。この新なる予感が、重苦しい恐怖と....
流線間諜」より 著者:海野十三
、而も異様の臭気が室内に充満していて、それがプーンと鼻をついたが、丁度塩鮭の俵が腐敗を始めているような臭いだった。ここは倉庫かなとは、そのとき既に思ったことだっ....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
、何の用意も、教育も施されずに、汚水の如く霊の世界へとなだれ込む。その罪穢、その腐敗は、まさに言語に絶し、万の災厄は、すべてここに萌すのである。地上の人類が、も....
」より 著者:秋田滋
た。わたくしは棺の上にかぶっている土をどけ、板を一枚外しました。と、厭なにおい、腐敗したものが発散する悪気がむうッとあがって来て、わたくしの顔を撫でました。ああ....
茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
を骨董的に弄ぶものはあっても、真に茶を楽む人の少ないは実に残念でならぬ、上流社会腐敗の声は、何時になったらば消えるであろうか、金銭を弄び下等の淫楽に耽るの外、被....
迷信解」より 著者:井上円了
を見てこれを好むの念を生ずれば、犬神たちまちその人に取りつき、あるいはその食物の腐敗することありと申しておる。元来、犬神の名の起こりしは、昔一つの犬を柱につなぎ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
説いても空々寂々で少しも理解しない。倫理も哲学もあったもんじゃない、根柢からして腐敗し切っていて到底救うべからずだ――」と日本の下級者の無知無恥に愛想を尽かして....
欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
そのシナに伝わるものすでに純然ならず、流れて日本に入るに当たりてまた濁水と混じ、腐敗の宗教となる。もし、これを今日インドに伝わるものと比するときは、その清濁の別....
茸をたずねる」より 著者:飯田蛇笏
かして躑躅の根株の間を眺めたりすると、其処に案外沢山のめざましい彼の猪の鼻すぐに腐敗し易いのに反し、晩秋の茸は霜を戴いて猶食し得るものが多い。初茸、シメジ、獅子....