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「腐爛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐爛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
偸盗」より 著者:芥川竜之介
。見ると、猪熊《いのくま》の小路のあたり、とある網代《あじろ》の塀《へい》の下に腐爛《ふらん》した子供の死骸《しがい》が二つ、裸のまま、積み重ねて捨ててある。は....
羅生門」より 著者:芥川竜之介
しながら、永久に唖《おし》の如く黙っていた。 下人《げにん》は、それらの死骸の腐爛《ふらん》した臭気に思わず、鼻を掩《おお》った。しかし、その手は、次の瞬間に....
桜の樹の下には」より 著者:梶井基次郎
だろう。 馬のような屍体、犬猫のような屍体、そして人間のような屍体、屍体はみな腐爛《ふらん》して蛆《うじ》が湧き、堪《たま》らなく臭い。それでいて水晶のような....
白蟻」より 著者:小栗虫太郎
な病理論などは、物の数ではなくなってしまって、はや騎西家の人達は、自分達の身体に腐爛の臭いを気にするようになってきた。そして明け暮れ、己れの手足ばかりを眺めなが....
半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ら三月ほどの後に、八王子の山のなかで彼に似たような縊死者を発見したが、死体はもう腐爛しているので、その人相もはっきりとは判らなかった。八王子は藤助の故郷であるが....
人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
折竹は大きく息を吸った。日没の、血紅の雲をうつしてまっ赤に染った沼土は、さながら腐爛物のごとく毒々しく美しい。と、彼のからだがスイと浮き木を離れ、ずぶりと泥には....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
残りの部分が様々な恰好で、焦土の所々に黄色く残っているところは、ちょうど焼死体の腐爛した皮膚を見るようで、薄気味悪く思われるのだった。 ところで、その二|条の....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
歯を見せていた。あるやつは、笑いそうだった。しかめッ面をしているのがあった。夏は腐爛した肉に、金蠅がワン/\たかった。 人々は、一と目で、すぐ顔をそむけ、あと....
支倉事件」より 著者:甲賀三郎
」 「そんな事はないよ。確に貞の屍体だよ」 「いや、あの上がった屍体はすっかりと腐爛していたから誰の屍体だか分りゃしない。現にあの時の検視官にも何も分らなかった....
蟹工船」より 著者:小林多喜二
には、自分の体の何処かが腐ってでもいないのか、と思った。蛆や蠅に取りつかれている腐爛した「死体」ではないか、そんな不気味さを感じた。 お湯には、初め一日置きに....
街はふるさと」より 著者:坂口安吾
「青木さんの顔の怪我はひどいようにきいたけど。話もよくできないぐらい」 「ええ。腐爛した水屍体のデスマスクに似ていたわ」 ルミ子は珍らしくもなさそうな顔だった....
」より 著者:秋田滋
ょうか。 (二度と再び彼女には会えないのだ。ああ二度と再び彼女には会えないのだ)腐爛してゆく肉体のことが、わたくしの念頭につきまとって、どうしても離れません。た....
鸚鵡蔵代首伝説」より 著者:国枝史郎
え、片手に手燭を持った男が、燠のように赤い眼、ふくれ上った唇、額に瘤を持ち、頤に腐爛を持った獅子顔を正面に向け、階段を下り切ったのは、それから間もなくのことであ....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
廓を現わして、やがて一同の眼に、飛び付いて来たものがあった。 そこには一人の、腐爛した男の屍体が、横たわっていたのである。 「ああ、風間だ。風間が……」 暁....
フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
弱者、負傷者、 老大獣、 力尽き溺るるもの、波とともに盛りあがる、死屍、腐爛した頭。 再び跳躍し、潜行し、 飛沫をあげ、 飛沫をあげ、 海浜ちか....