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「腐蝕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腐蝕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
悠々荘」より 著者:芥川竜之介
いながら、もう一度僕の言葉に反対した。 「これは壁土の落ちたのじゃない。園芸用の腐蝕土だよ。しかも上等な腐蝕土だよ。」 僕等はいつか窓かけを下した硝子窓の前に....
振動魔」より 著者:海野十三
注入すれば、その薬品が皮膚を蝕すため、胎児と子宮壁とをつないでいる部分の軟い皮が腐蝕して脱落し、堕胎の目的を達するのだった。それを機械的にやるのが、柿丘秋郎のと....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
所に箝められてある。 手を延ばして触って見た。 永い間の年月に、堅固な錠前も腐蝕ったものと見え、手に連れて扉が開いた。扉の向こうに龕がある。龕の中に人がいる....
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
黄や、塩酸加里などの影響を受けて、すべてが色褪せ、机の板は、もく目ともく目の間が腐蝕し、灰色に黝ずんでいた。 三円で払下げを受けた一|挺の古鉄砲を、五十円で、....
白峰山脈縦断記」より 著者:小島烏水
らばっている。 外にも壊れかかった石祠がある、中には神体代りの小鉄板が、※びて腐蝕しながらも、奉納白根大日如来寛政七年乙卯六月と読まれた、白峰赤石両山脈の頂で....
谷より峰へ峰より谷へ」より 著者:小島烏水
土ともつかなくなっている、手をかけても、危くないように、揺り動かしては、うわべの腐蝕したところを欠く、欠けば欠くほど、ざわざわと屑の石が鳴りはためいて、谷々へ反....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
、小穴が深く穿《うが》たれたではないか! 水銀色の滴には、世にも恐ろしい力強い、腐蝕作用があるのらしい。 と、華子であるが腕を延ばすと、スーッと杖を突き出した....
贋紙幣事件」より 著者:甲賀三郎
外へ出て見たら、それは劇薬の塩酸の空瓶だった。塩酸は印刷に使う銅の板を磨いたり、腐蝕させて、いろいろの文字や模様を彫り込むのに使うのさ。駐在所まで追かけて来た坊....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
を目がけ兎のように駈け上がった。そうしてそこで目付けたのは巨大な鉄の箱であった。腐蝕した穴から黄金の光が燦然と彼の眼を射た。 「目付けた!」 と彼は歓喜の声を....
夢は呼び交す」より 著者:蒲原有明
はこの一句のために、その一生を賭けていたといっても好い。人知れぬ痛苦は彼の心身を腐蝕していた。そして歪められたのは彼の性情であった。 この市井の女という言葉は....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
いる撥ね釣瓶の縄に添い、落ちて来たが、地面へ届かない以前に消えてしまった。年月と腐蝕とのためにボロボロになっている井桁を通し、井戸の中へ落ちたのであった。 「タ....
ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
かかる太陽熱利用の機械、鏡にメッキするペチットジェンの方法、木材の乾燥や、それの腐蝕を防ぐ方法、ボネリーの電気応用絹織機、バァリーの考案にかかる上院の通気法等で....
人身御供と人柱」より 著者:喜田貞吉
たかを詳かにせぬ。或いは別々のものであったのかもしれぬ。しかし既に白骨が甚だしく腐蝕されずによく保存されたという事から考えると、もしそれが墳墓であったならば、必....
変身」より 著者:カフカフランツ
りした。壜が床の上に落ちて、くだけた。一つの破片がグレゴールの顔を傷つけた。何か腐蝕性の薬品が彼の身体のまわりに流れた。グレーテは長いことそこにとどまってはいな....
流刑地で」より 著者:カフカフランツ
ぼり出すことは、もうこの機械にはできません。ところがあのころには、文字を刻む針が腐蝕させる液体をしたたらせていました。その液体は今ではもう使用してはいけないこと....