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腔
「腔〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腔の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
ェルを軽蔑《けいべつ》している。若し理性に終始するとすれば、我我は我我の存在に満
腔《まんこう》の呪咀《じゅそ》を加えなければならぬ。しかし世界の賞讃《しょうさん....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
まり、忍野氏の帰るを待たんとするよし。吾人は貞淑《ていしゅく》なる夫人のために満
腔《まんこう》の同情を表《ひょう》すると共に、賢明なる三菱《みつびし》当事者のた....
「後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
とができるように溜《た》めて往かんとする欲望が諸君のうちにあるならば、私は私の満
腔《まんこう》の同情をもって、イエス・キリストの御名《みな》によって、父なる神の....
「生きている腸」より 著者:海野十三
はどの囚人のものでもなかったのである。 「生ける腸《はらわた》」はいったい誰の腹
腔から取り出したものであろうか。 それは○○刑務病院につとめていた二十四歳の処....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
いにしてやらあ」 口を極《きわ》めてすでに立ち去りたる巡査を罵《ののし》り、満
腔《まんこう》の熱気を吐きつつ、思わず腕を擦《さす》りしが、四谷組合と記《しる》....
「映画と癩の問題」より 著者:伊丹万作
まに顔を見るとそれはもう末期にちかい癩患者で、眼も鼻も毛髪もまったくなく、口と鼻
腔だけが無気味な闇黒をのぞかせていた。顔の色はところによって勝手に変色したり褪色....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
も、防弾チョッキを外していないよ」 「ほほう、なるほど……」 動坂氏の寝衣や口
腔を調べたが、黄金の鍵は見つからなかった。この上は防弾チョッキだと思ってそれを外....
「振動魔」より 著者:海野十三
でしたね。その結果、なんと皮肉なことにも、柿丘氏の結核空洞は、白石博士夫人の子宮
腔の大きさと、ほぼ等しい大きさをなして居ることを発見したのです。 一石にして二....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
出ていった隙に、一郎はかねて信じていたところを行ったのだった。彼は四郎の屍体の口
腔を開かせ、その中に手をグッとさし入れると咽喉の方まで探ぐってみたのが、果然手懸....
「時限爆弾奇譚」より 著者:海野十三
た。肉は、まだほんのちょっぴり博士の口に入ったばかりであったが、その切り取った腹
腔のところから、なにやら異様に燦然たる黄金色のものが光ってみえるではないか。それ....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
唇があった。その唇へ、一人の男が棒をさしこんであけてみたところ、たしかに中には口
腔があったが、ふしぎなことに歯が一本もなかった。 まったく、ふしぎな死骸であっ....
「人体解剖を看るの記」より 著者:海野十三
パリパリと脳膜が剥がれる音が聞えた。 お椀のような頭蓋骨が、下に落ちると、頭蓋
腔の中から、灰白色の脳がとびだしてきた。脳というのはこんなものかと思うほど、見か....
「錦紗」より 著者:犬田卯
道の片側へ避け、吹きかけられる埃を予想してハンカチを懐から引っ張り出し、そして鼻
腔を抑えた。 「お通ちゃん、どこサ行ぐのよ。」 濛々たる砂塵を捲き立てて走りす....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
ずに偶然文人の素地を作っていた。時も時、学校を罷めて何をするという方角もなく、満
腔の不平を抱いて放浪していた時、卒然としてこの文学勃興の機運に際会したは全く何か....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
線決戦主義が最も合理的である。殊に当時猛訓練と軍事学の研究に依って軍隊の精鋭に満
腔の自信を持っていたフリードリヒ大王には世人を驚嘆せしむる戦功を立てしめたのであ....