» 

「腥〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腥の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
と、あの沙門は即座にその相手に、恐ろしい神罰を祈り下しました。おかげで井戸の水が《なまぐさ》い血潮に変ったものもございますし、持《も》ち田《だ》の稲を一夜《い....
魚河岸」より 著者:芥川竜之介
た。ただ露柴はどうかすると、足もとも少々あぶなかった。我々は露柴を中にしながら、《なまぐさ》い月明りの吹かれる通りを、日本橋《にほんばし》の方へ歩いて行った。....
藪の中」より 著者:芥川竜之介
》が一つ光っている。おれはそれを手にとると、一突きにおれの胸へ刺《さ》した。何か《なまぐさ》い塊《かたまり》がおれの口へこみ上げて来る。が、苦しみは少しもない....
国貞えがく」より 著者:泉鏡花
名《しょうみょう》の中から、じりじりと脂肪《あぶら》の煮える響《ひびき》がして、《なまぐさ》いのが、むらむらと来た。 この臭気《しゅうき》が、偶《ふ》と、あ....
海神別荘」より 著者:泉鏡花
いのほか、ほんに、清しい、佳い薫、(柔に袖を動かす)……ですが、時々、悚然する、い香のしますのは?…… 女房 人間の魂が、貴女を慕うのでございます。海月が寄る....
貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
われも世を呪えや。」 と、首を振ると、耳まで被さった毛が、ぶるぶると動いて……い。 しばらくすると、薄墨をもう一刷した、水田の際を、おっかな吃驚、といった....
半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
には違いはありませんがね――三島|女郎衆の化粧の水などという、はじめから、そんない話の出よう筈はありません。さきの御仁体でも知れます。もうずッと精進で。……さ....
古狢」より 著者:泉鏡花
たのである。 市のあたりの人声、この時|賑かに、古椎の梢の、ざわざわと鳴る風の蕈さ。 ――病院は、ことさらに、お藻代の時とちがった、他のを選んだ。 生命....
草迷宮」より 著者:泉鏡花
甘い匂と言ったら。 夜深しに汗ばんで、蒸々して、咽喉の乾いた処へ、その匂い。血いより堪りかねて、縁側を開けて、私が一番に庭へ出ると、皆も跣足で飛下りた。 ....
海の使者」より 著者:泉鏡花
くと泳ぎ上がった。水はしだいに溢れて、光物は衝々と尾を曳く。 この動物は、風のい夜に、空を飛んで人を襲うと聞いた……暴風雨の沖には、海坊主にも化るであろう。....
茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の白い胴中を筒切にして食うらしい。 その皮の水鉄砲。小児は争って買競って、手のいのを厭いなく、参詣群集の隙を見ては、シュッ。 「打上げ!」 「流星!」 と....
梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
を持って出て、毎晩舞台を叩きこわしたそうだが、そんな殺伐なことがまだ戦国時代の血い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好に投じて、遂には市川流の荒事という独特な芸術をす....
八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
蟇田素藤 南面孤を称す是れ盗魁 匹として蜃気楼堂を吐くが如し 百年の艸木丘を余す 数里の山河|劫灰に付す 敗卒庭に聚まる真に幻矣 精兵|竇を潜る亦奇な....
雪柳」より 著者:泉鏡花
ま突落されたように出た処は、さいわい畜生道でも魔界でもない。賑かな明い通りで、血いかわりに、おでんの香が芬とした。もう一軒、鮨の酢が鼻をついた。真中に鳥居があ....
二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
人間の我儘で、猫に取っては迷惑千万な咄だ、」といった。けれどもお膳が出てから、生い臭いにいよいよ鼻をムクムクさして、お客のお膳であろうと一向お関いなしに顔を突....