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腥い
「腥い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腥いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「蠅男」より 著者:海野十三
ったのにちがいない。 「そうか。――すると蠅男と僕とは、すでに事件の最初から血|
腥い戦端をひらいていたんだ。そういうこととは今の今まで知らなかった。うぬ蠅男め、....
「心臓盗難」より 著者:海野十三
や、言葉じゃ“心を盗む”とか、“心臓を自分の所有にする”とかいうが、ほんものの血
腥い心臓を盗んだって、なんにもならんじゃないか」 記者たちは笑いながら散ってい....
「海神別荘」より 著者:泉鏡花
いのほか、ほんに、清しい、佳い薫、(柔に袖を動かす)……ですが、時々、悚然する、
腥い香のしますのは?…… 女房 人間の魂が、貴女を慕うのでございます。海月が寄る....
「貝の穴に河童の居る事」より 著者:泉鏡花
われも世を呪えや。」 と、首を振ると、耳まで被さった毛が、ぶるぶると動いて……
腥い。 しばらくすると、薄墨をもう一刷した、水田の際を、おっかな吃驚、といった....
「大宇宙遠征隊」より 著者:海野十三
の怪物団とは、火星の一隊であることにまちがいはない。 月世界のうえにまたもや血
腥い事件がもちあがったのである。辻中佐はじめ、アシビキ号の乗組員たちは、底しれぬ....
「人造人間事件」より 著者:海野十三
きな不吉が存在しているものだ。帆村はそれを思ってドキンとした。 (――なにか、血
腥い事件が起ったのだろう。殺人事件か、それとも戦争か) さっき喫茶店リラで、紅....
「半島一奇抄」より 著者:泉鏡花
には違いはありませんがね――三島|女郎衆の化粧の水などという、はじめから、そんな
腥い話の出よう筈はありません。さきの御仁体でも知れます。もうずッと精進で。……さ....
「草迷宮」より 著者:泉鏡花
甘い匂と言ったら。 夜深しに汗ばんで、蒸々して、咽喉の乾いた処へ、その匂い。血
腥いより堪りかねて、縁側を開けて、私が一番に庭へ出ると、皆も跣足で飛下りた。 ....
「海の使者」より 著者:泉鏡花
くと泳ぎ上がった。水はしだいに溢れて、光物は衝々と尾を曳く。 この動物は、風の
腥い夜に、空を飛んで人を襲うと聞いた……暴風雨の沖には、海坊主にも化るであろう。....
「茸の舞姫」より 著者:泉鏡花
の白い胴中を筒切にして食うらしい。 その皮の水鉄砲。小児は争って買競って、手の
腥いのを厭いなく、参詣群集の隙を見ては、シュッ。 「打上げ!」 「流星!」 と....
「梵雲庵漫録」より 著者:淡島寒月
を持って出て、毎晩舞台を叩きこわしたそうだが、そんな殺伐なことがまだ戦国時代の血
腥い風の脱け切らぬ江戸ッ子の嗜好に投じて、遂には市川流の荒事という独特な芸術をす....
「巴里の唄うたい」より 著者:岡本かの子
具合を話し合う。それが次のはやり唄を作る作者の参考にもなる。彼等は繩張のことで血
腥い喧嘩もよくする。 はやり唄は場末の家の建壊しの跡などへ手風琴鳴しを一人連れ....
「番町皿屋敷」より 著者:岡本綺堂
はござりませぬ」 白柄組の屋敷奉公にだんだん馴れて、おとなしい娘もこの頃では血
腥い喧嘩沙汰を犬の咬み合ほどにも思っていないらしかった。その落着きすました顔付が....
「雪柳」より 著者:泉鏡花
ま突落されたように出た処は、さいわい畜生道でも魔界でもない。賑かな明い通りで、血
腥いかわりに、おでんの香が芬とした。もう一軒、鮨の酢が鼻をついた。真中に鳥居があ....
「二葉亭余談」より 著者:内田魯庵
人間の我儘で、猫に取っては迷惑千万な咄だ、」といった。けれどもお膳が出てから、生
腥い臭いにいよいよ鼻をムクムクさして、お客のお膳であろうと一向お関いなしに顔を突....