腰を下ろす[語句情報] » 腰を下ろす

「腰を下ろす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰を下ろすの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
地球発狂事件」より 著者:海野十三
。何者かが、彼の本性に警報を発したからに違いない。 彼は起き上がって暖炉の前に腰を下ろすと、下紐を引いて人を呼んだ。 ガロ爺やは坊ちゃま御帰邸のよろこびを懸....
婦系図」より 著者:泉鏡花
いて貰いたいがの、」 菅子と早瀬の居るのを見て、遠慮らしく、もじもじして、 「腰を下ろすとよう立てぬで、久しぶりで出たついでじゃ、やっとそこらを見て、帰りに寄....
親子」より 著者:有島武郎
いかがな思召しでしょう」 矢部は肥っているだけに額に汗をにじませながら、高縁に腰を下ろすと疲れが急に出たような様子でこう言った。父にもその言葉には別に異議はな....
ゴールデン・バット事件」より 著者:海野十三
そうにも楽しそうにも見えないのだから不思議である。唯、隅っこの席へ行ってドカリと腰を下ろす。そこは彼のために、いつも取って置きの場所だった。そこで彼は悠々と一本....
恐怖の口笛」より 著者:海野十三
なかった。 彼女は五枚折りの大きな化粧鏡の前で、まず女王の冠を外した。それから腰を下ろすと下に跼んで長い靴と靴下とをぬぎ始めた。演技がすんで、靴下を脱ぎ、素足....
蠅男」より 著者:海野十三
塚ゆきの切符を買った。 急行電車に乗りこんだ彼は、乱暴にも婦人優先席にどっかと腰を下ろすや、腕ぐみをして眼を閉じた。そして間もなく大きな鼾をかきだすと見る間に....
山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
ばと思って、一人でくやしかった。 霞沢岳 頂上は狭い。三角標の下に腰を下ろすと、そこいらのはい松の上で、ぶよのなく声が聞えてくる。日光は、はい松の....
火星探険」より 著者:海野十三
、お前さまは“心臓を凍らせたまま五千年間立ったままでいなければならぬ。一度だって腰を下ろすことは出来ないぞ”といわれたでねえかよ。お気の毒なことじゃ。はっはっは....
什器破壊業事件」より 著者:海野十三
時にとれていた。よく見るとなんのこと、それは今しがたこの部屋に入って、この椅子に腰を下ろすときから始まって、終りのところは、すこし睡くなって口をあいて欠伸をする....
大使館の始末機関」より 著者:海野十三
として、椅子に手をかけた。 「ほら、腰をかけるぞ」 金博士がその安楽椅子の上に腰を下ろすのが眺められた。とたんに、あーら不思議、博士の身体はぶーんと呻りを生じ....
軍用鼠」より 著者:海野十三
―を伴って散歩に出かける。二人は歩き疲れて、月明るき古城を背にしてベンチに並んで腰を下ろす。そしてピッタリと寄りそい甘い恋を囁きかわすのだった。 ところが城の....
転機」より 著者:伊藤野枝
えながら、着物の裾を端折ったまま、戸のあいたままになっている敷居に腰を下ろした。腰を下ろすとすぐ眼の前の柚子の木に黄色く色づいた柚子が鈴なりになっている。鶏は丸....
獄中消息」より 著者:大杉栄
明治四十年十月十三日 きのう東京監獄から帰って来た。まず監房にはいって机の前に腰を下ろす。ホントーに「うち」に帰ったような気がする。 僕は法廷に出るのが大嫌....
花束の虫」より 著者:大阪圭吉
と、秋田には見向きもしないで、到頭その儘出て行って了った。 大月は自分の椅子へ腰を下ろすと、さも満足そうにウエストミンスターに火を点けた。 秋田はどうにも堪....
石段に鉄管」より 著者:小川未明
うな手まねをしました。 二人の子供は、すぐには、起てなかったのです。なぜなら、腰を下ろすとともに、疲れが一|時に襲って、小さな足は、重くて、痛かったからでした....