腰を据える[語句情報] » 腰を据える

「腰を据える〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腰を据えるの前後の文節・文章を表示しています。該当する12件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
がら、自分の座蒲団《ざぶとん》を向うへ直した。が、叔母はそれは敷かずに、机の側へ腰を据えると、さも大事件でも起ったように、小さな声で話し出した。 「私は少しお前....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
苦労も水の泡《あわ》だと泣いた。が、何かにつけて蝶子は自分の甲斐性の上にどっかり腰を据えると、柳吉はわが身に甲斐性がないだけに、その点がほとほと虫好かなかったの....
自叙伝」より 著者:大杉栄
て、激励と同時に承諾の返事を寄越した。それで、伊藤は落ちついて、御宿のある宿屋に腰を据えることになった。 ところが、その原稿が、幽芳氏の非常な称讃の辞がついて....
刻々」より 著者:宮本百合子
かも心当りもなく、結局、どこの誰がどう清算しようと、知らない事は知らない事だと、腰を据えるしか仕方がないのであった。 女の同志は、 「本庁の奴、私を見て、なァ....
人造人間戦車の機密」より 著者:海野十三
席を案内していくところは、毎朝多少ちがっていたが、結局、主席が最後ににこにこ顔で腰を据えるところは、外ならぬ人造人間戦車の主要部分品であるところの人造人間が、山....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
、雑貨屋や小間物屋を買い与えて、そこに落着くように勧めたことがあった。しかし彼は腰を据えることができなかった。夜中に起き上がって、戸の下に鍵を置き、梱《こり》を....
椿の花の赤」より 著者:豊島与志雄
ない。但し、ここにいう機械的な働きに身を置くことは、謂わば私情をすてて公の境地に腰を据えることだと、そんなところにまで李の議論は飛躍してしまった。 「現代の社会....
墓地展望亭」より 著者:久生十蘭
動車ぐらいは通るだろう。そのうちに夜も明けるだろうし……。 竜太郎は、ここで、腰を据える気になって、ゆっくりと、煙草をくゆらしはじめた。 遠くのほうから、早....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
に相成るとして、その間に宿代の催促されてはちょっと困る。それが承知ならこのままに腰を据えるが、さもなくば他の宿屋へ早速転泊致す。それで好いか、どうじゃの」 す....
雪柳」より 著者:泉鏡花
さながらの。」 いよいよ口を利かせません。立つにも立たれはしないから、しばらく腰を据える覚悟をしました。が、何分にも、餒れた黄肌鮪鬢長鮪が可恐しい。 「菎蒻。....
穂高岳槍ヶ岳縦走記」より 著者:鵜殿正雄
に折れ、巉岩にて築き上げた怪峰二、三をすぎ、八時、標高三千十四米突の一峰に攀じて腰を据える。位置は信飛の界、主峰奥岳の東北に当る、が東穂高岳と命名しよう。 霧....
正宗谷崎両氏の批評に答う」より 著者:永井荷風
ぬか》れない。それにまた三田の出身者ではなく、外から飛入りの先生だから、そう長く腰を据えるのはよくないという考もあった。 わたくしの父は、生前文部省の役人で一....