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腰掛
「腰掛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腰掛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
驚くべき光景が、一ぱいになって拡がっている。一等室の鶯茶《うぐいすちゃ》がかった
腰掛と、同じ色の窓帷《カアテン》と、そうしてその間に居睡《いねむ》りをしている、....
「魚河岸」より 著者:芥川竜之介
理を平げさすと、二人とも中々《なかなか》健啖《けんたん》だった。
この店は卓も
腰掛けも、ニスを塗らない白木《しらき》だった。おまけに店を囲う物は、江戸伝来の葭....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
であった。――銀杏返しに結った、三十四五の、実直らしい、小綺麗な年増が、ちょうど
腰掛けの端に居て、直ぐにそこから、扉を開けて、小児を迎え入れたので、さては乳母よ....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
湯気の裏へすっきりと、出たのを一目、驚いた顔をしたのは、帳場の端に土間を跨いで、
腰掛けながら、うっかり聞惚れていた亭主で、紺の筒袖にめくら縞の前垂がけ、草色の股....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
」 手ランプを提げた、真黒な扮装の、年の少い改札|掛わずかに一人。 待合所の
腰掛の隅には、頭から毛布を被ったのが、それもただ一人居る。……これが伊勢だと、あ....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
…「見苦しゅうはごわすが、料理店は余り露骨……」料理屋の余り露骨は可訝しいがね、
腰掛同然の店だからさ、そこから、むすび針魚の椀、赤貝の酢などという代表的なやつを....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
その辺に腰でもかけるとしようか。』 『ほんにそうでございました。丁度ここに手頃の
腰掛けがございます。』 私達は三|尺ほど隔てて、右と左に並んでいる、木の切株に....
「銀座は昔からハイカラな所」より 著者:淡島寒月
ら数はたった二台しかありませんでした。馬は四頭立で車台は黒塗り、二階は背中合せに
腰掛けるようになっていて梯子は後部の車掌のいる所に附いていました。馭者はビロード....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
くさない書きぶりで書いてありました。 「ふん、ふん。」こう書記はつぶやきながら、
腰掛に腰をおろしました。なにか心がおどって、生きかえったようで、気分がやさしくな....
「野のはくちょう」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
ということは、たれにもすぐわかりました。いもうとのエリーザは、鏡ガラスのちいさな
腰掛に腰をかけて、ねだんにしたらこの王国の半分ぐらいもねうちのある絵本をみていま....
「一利己主義者と友人との対話」より 著者:石川啄木
赤切符だ。 B 人間は皆赤切符! やっぱり話せるな。おれが飯屋へ飛び込んで空樽に
腰掛けるのもそれだ。 A 何だい、うまい物うまい物って言うから何を食うのかと思っ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
があり、壁には図面などが掛かるようになっている。机の前には半円形になった聴講者の
腰掛がならべてあり、一列毎に段々と高くなり、その上には大向うの桟敷に相当する席も....
「瓜の涙」より 著者:泉鏡花
音が通い、雫を帯びて、人待石――巨石の割目に茂った、露草の花、蓼の紅も、ここに
腰掛けたという判官のその山伏の姿よりは、爽かに鎧うたる、色よき縅毛を思わせて、黄....
「罪人」より 著者:アルチバシェッフミハイル・ペトローヴィチ
てはいても、なんとなく都会は半ば死しているように感じられる。 フレンチの向側の
腰掛には、為事着を着た職工が二三人、寐惚けたような、鼠色の目をした、美しい娘が一....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
るのは果して適当であろうか。脱靴だけは日本式であるが、田舎出身の兵隊に、慣れない
腰掛を強制し、また窮屈な寝台に押し込んでいる。兵の生活様式を急変することは、かれ....