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「腹痛〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹痛の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
、――私も昨日《きのう》あたりまでは、死ぬのかと思っていたけれど、――」 母は腹痛をこらえながら、歯齦《はぐき》の見える微笑をした。 「帝釈様《たいしゃくさま....
或る女」より 著者:有島武郎
てられて、われながらどうしていいかわからない事もあった。そんな時にはただいちずに腹痛を口実にして、一人になって、腹立ち紛れにあり合わせたものを取って床の上にほう....
或る女」より 著者:有島武郎
過を取っているらしく見えた容態は三日目の夕方から突然激変した。突然の高熱、突然の腹痛、突然の煩悶《はんもん》、それは激しい驟雨《しゅうう》が西風に伴われてあらし....
放浪」より 著者:織田作之助
ふと気が付いてみると、阿呆んだら。順平は突きとばされていた。 あくる朝、文吉の腹痛はけろりと癒った。早う帰らんと金造に叱られるといったので、順平は難波まで送っ....
食魔」より 著者:岡本かの子
って学歴も無い素人出の料理教師が、なにかにつけて理窟を捏ね芸術家振りたがるのは片腹痛い。だがこの青年が身も魂も食ものに殉じていることは確だ。若い身空で女の襷をし....
単独行」より 著者:加藤文太郎
ができず、計画的に会社を休んで、山へ出かけたことがあります。そのとき彼は欠勤届を腹痛として、休むと同時に出しました。もちろん会社内の人は、彼の不正な行為に少しも....
小田原陣」より 著者:菊池寛
った氏政は、是を地に擲って弟の氏照に向い、一片の文書で天下の北条を恫喝するとは片腹痛い、兵力で来るなら平の維盛の二の舞で、秀吉など水鳥の羽音を聞いただけで潰走す....
政談十二社」より 著者:泉鏡花
いておいで遊ばす。へへ、」と婆さんは薄笑をした。 判事は眉を顰めたのである、片腹痛さもかくのごときは沢山あるまい。 婆さんは額の皺を手で擦り、 「はや実にお....
イワンの馬鹿」より 著者:菊池寛
魔は元気なく言いました。 「おれの方はどうもうまく行かない。まずおれはあいつに、腹痛を起させてやろうと思ってあいつのお茶の中に、唾を吐き込んでやった。それからあ....
死剣と生縄」より 著者:江見水蔭
お立ち寄りを」 押砂河岸で夜船を上って、阿波村に行く途中の蘆原で、急に竜次郎が腹痛を覚えた時に、お鉄は宛如子供でも扱うようにして、軽々と背中に負い、半里足らず....
悪因縁の怨」より 著者:江見水蔭
えていた。 それで未だ若殿は立上りそうも無いのであった。 「痛ッ、痛ッ、どうも腹痛で……」と突然言い出した。 「えッ、御腹痛、それには幸い、大森で求めた和中散....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
興を覚していた。 明くる日になって、朝の食事が済んでからであった。突然智栄尼が腹痛に苦しみ出した。 「こりや、毒、毒殺じゃ。毒殺じゃ」 宿の者はびっくりした....
」より 著者:犬田卯
、おさよの持って来た報告は、そんな耳寄りのことではなかった。 「おっ母、ヨチ子、腹痛えって泣いていっと」とおさよは、はあはあ息をきらしながら、遠くから叫んだ。 ....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
人として――の文学三昧は小児の飯事同様の遊戯であって、人生のための文学などとは片腹痛い心地がして堪えられなかった。 然るにまた一方には物質上の逼迫がヒシヒシと....
放浪」より 著者:織田作之助
いた。ふと気が付いてみると、阿呆んだら。突き飛ばされていた。 翌くる朝、文吉の腹痛はけろりと癒った。早う帰らんと金造に叱られるといったので、順平は難波まで送っ....