腹立ち[語句情報] »
腹立ち
「腹立ち〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹立ちの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
田《どろた》へ蹴落《けおと》されたと云うことである。(註三)
とにかく平四郎は
腹立ちまぎれに伝吉へ斬りかけたのに違いない。伝吉は平四郎に追われながら、父のいる....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
れでも若殿様は晴々と、美しい歯を見せて御笑いになりながら、
「父上、父上、そう御
腹立ち遊ばすな。牛飼めもあの通り、恐れ入って居《お》るようでございます。この後《....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
んですから、あちらの御新造に見つかったが最後、反《かえ》って先様《さきさま》の御
腹立ちを煽《あお》る事になるかも知れますまい。そんな事があっては大変ですから、私....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
ありがた》い難有いとこう云うた。」
「そんな事をおっしゃっては、いくら少将でも御
腹立ちになりましたろう。」
「いや、怒《おこ》られれば本望じゃ。が、少将はおれの....
「或る女」より 著者:有島武郎
かわからない事もあった。そんな時にはただいちずに腹痛を口実にして、一人になって、
腹立ち紛れにあり合わせたものを取って床の上にほうったりした。もう何もかもいってし....
「星座」より 著者:有島武郎
蒙《こうむ》ります。すっかり冷えこんでしまいましたお蔭で……」
「ははん、先生、
腹立ちまぎれに明日から俺を抛《ほう》りだそうと考えているな。こりゃこうしちゃいら....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
ころありげ》に御者の面《おもて》を眺《なが》めたり。好意を無にせられたる世話人は
腹立ちて、 「せっかく皆さんが下さるというのに、それじゃいらないんだね」 車は....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
いぞ。早く母親を呼べ。――僕を変だと診断するのか。そんな院長こそ変だ!」 僕は
腹立ちまぎれに、そんな風に怒鳴りちらした。だが、その結果は反ってよくなかった。僕....
「怪塔王」より 著者:海野十三
をしまして、麻綱をもって愛機を怪塔ロケットにむすびつけたものですから、怪塔王は大
腹立ちです。このままでは、怪塔ロケットのいくところへ、青江機がどこまでもついてく....
「空中漂流一週間」より 著者:海野十三
、キンチャコフがゴンドラの外に手を伸そうとしたとき、踏みこんだ「火の玉」少尉は、
腹立ちまぎれに右手でぴしりとキンチャコフの脳天をなぐりつけた。その右手は、ただの....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
ける。 良夫と誤り、良夫と見て、胸は早鐘を撞くごとき、お貞はその良人ならざるに
腹立ちけむ、面を赤め、瞳を据えて、屹とその面を瞻りたる、来客は帽を脱して、恭しく....
「風波」より 著者:井上紅梅
んに向って幾歩か突進した。「お前は彼に抵抗することが出来るか」 八一ねえさんは
腹立ちのあまり子供を抱えて顫えていると、顔じゅう脂汗の趙七爺がたちまち眼を瞠って....
「兎と猫」より 著者:井上紅梅
》の小兎はもちろん、あのちょっと首を出して穴の外へも出なかった弟の影さえもない。
腹立ちと失望の凄じさは、もう一度壁の隅の新しき洞《あな》を掘らずにはいられない。....
「多神教」より 著者:泉鏡花
の冷たさはありません。口も利かせはいたしません。 巫女 いやみ、つらみや、怨み、
腹立ち、怒ったりの、泣きついたりの、口惜しがったり、武しゃぶりついたり、胸倉を取....
「大利根の大物釣」より 著者:石井研堂
と燃え、奇臭鼻をつく。船頭見て愕き、走り来りて、 『どうなさいますのです。何かお
腹立ちなのですか。』と、燃え残りの綸屑※屑を掻き集めて、再び燃さんとせし漁史の手....