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「腹背〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹背の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
武装せる市街」より 著者:黒島伝治
は、両方とも尖っているんだぞ。」 弾丸を数えている奴が笑い出した。 「ロシヤは腹背に敵を受けとるからだべ。」 彼等は、入口に立っている陳と山崎に気づくと、ふ....
運命」より 著者:幸田露伴
の勢、実に岌々乎として将に崩れんとするの危に居れり。孤軍長駆して深く敵地に入り、腹背左右、皆我が友たらざる也、北平は遼遠にして、而も本拠の四囲|亦皆敵たる也。燕....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
だ。十数人の人影が、鉄砲の筒口を向けていた。 彼はすっかり計られたのであった。腹背敵を受けてしまった。もう助かる術はない。飛び道具には敵すべくもない。 が、....
神秘昆虫館」より 著者:国枝史郎
うすると反対側からも、七、八人がやって来るらしい。お誂え通りだ。左右から廻わり、腹背を衝こうとするらしい。よし」と尚も聞き澄ました。「三間……二間……立ち止まっ....
浦和充子の事件に関して」より 著者:宮本百合子
来た人であり、それを実行した人々です。だから新聞に出る事件を見ると命中面のひろい腹背なんかうっては、必要のない殺人をひきおこしています。それはみんな軍隊で教わっ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
彦根に対して俯《ふ》して敵を射るの好地にあるではござらぬか、加賀と尾張の二大藩を腹背に受けているようではござるが、一方は馬も越せぬ山つづき、一方は大河と平野によ....
サレーダイン公爵の罪業」より 著者:チェスタートンギルバート・キース
を新聞で知った。公爵は事件にあらわれた犯人のように逃げはじめた。いかんせん、身は腹背に敵を受けておったのじゃから、アーントネリの追跡をくらまそうとその方に金を使....
「峠」という字」より 著者:中里介山
」に次の如く出ている。 按嶺山坂上登登下行之界也、与峯不同、峯如鋒尖処、嶺如領腹背之界也、如高山峯一、而嶺不一。 これによって見ると、嶺は峯ではない、山の....
加利福尼亜の宝島」より 著者:国枝史郎
土人が新たに人数を駆り集め後を追っかけて来たのであった。 二人はここに計らずも腹背に敵を受けたのである。 「紋太夫殿、もういけない」ホーキン氏は嘆息した。 「....
仇討姉妹笠」より 著者:国枝史郎
進と勘兵衛と、覆面の武士と屋敷の使僕たちが、こっちへ走って来る姿であった。二人は腹背に敵を受け、進退まったく谷まった。 一方には十年間開いたことのない、閉扉の....
名人地獄」より 著者:国枝史郎
、一人の旅人が現われたが、笠を傾けこっちを隙かすと、ピタリと止まって手を拡げた。腹背敵を受けたのであった。ギョッとしながらも甚内は、相手が博徒と見定めると、抜い....
剣侠」より 著者:国枝史郎
こは武士で義侠の血も湧き、勇気も勃然と起こるものであり、やにわに刀を引き抜いた。腹背敵を受けたばかりか、その中の一人は剣聖ともいうべき、秋山要介正勝であった。剣....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
うの、二人の男が立ち上がっていて、これも抜いた匕首を、月の光にキラつかせている。腹背に敵を受けたのである。はさみ打ちの位置に置かれたのである。 「ははあそうか、....
安吾の新日本地理」より 著者:坂口安吾
穴からムリに身を現して一服もるという困難な所業が、全然他に活用する意志のない面従腹背の学習だということは誰にもはじめは分らない。これこそ難民の性格なのである。そ....
肌の匂い」より 著者:三好十郎
つて「くだらねえ文士だ」と吐き捨てるように言つた調子も續いていて、その二つが面從腹背と言つたふうの矛盾した態度にはならない。どこかしらで私のことを「罪の無いオッ....