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「腹膜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

腹膜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
くわかりました。無論十二指腸の潰瘍《かいよう》です。が、ただいま拝見した所じゃ、腹膜炎を起していますな。何しろこう下腹《したはら》が押し上げられるように痛いと云....
或る女」より 著者:有島武郎
つしゃ》の不注意から子宮底に穿孔《せんこう》を生じた時などには、往々にして激烈な腹膜炎を結果する危険が伴わないでもないなどと書いてあった。葉子は倉地に事情を打ち....
河明り」より 著者:岡本かの子
けのした具合いで床につき勝ちになり、それから四年目の木下が十三歳、娘が五つの年に腹膜炎で死んだ。 そのとき木下の母親の遺言はこうであった。 「ここの家のお内儀....
氷河」より 著者:黒島伝治
、よう/\栗本に気がついたらしかった。が二人の間には、膝から下を切断し、おまけに腹膜炎で海豚のように腹がふくれている患者が担架で運んで来られ、看護卒がそれを橇へ....
青鬼の褌を洗う女」より 著者:坂口安吾
水を飲ましてはいけないというのに、私と看護婦のいないとき幾度か水を飲ませたあげく腹膜を起させ殺してしまった。そのせいではないけれども、私は母に愛されるたび、殺さ....
日月様」より 著者:坂口安吾
。 そのうち酒がまわり、談たまたま去年死なれた豊島さんのお嬢さんの話になった。腹膜で死んだのだ。非常な苦痛を訴えるのでナルコポンを打ったという。すぐ、ケロリと....
我が人生観」より 著者:坂口安吾
、この界隈では、南雲さんのほかに手術室をもつ医者がなかったからである。 女房は腹膜を併発して一月余り入院し、退院後も歩行が不自由なので、母のもとへ帰すわけにい....
次郎物語」より 著者:下村湖人
方法に問題があるんだ。何だか、いま聞いたところでは、化膿した盲腸を叩きつぶして、腹膜の原因を作った、といった恰好ではないかね。」 「そんなことになるんでしょうか....
光は影を」より 著者:岸田国士
にお伝えすること、忘れちまつて……」 「あゝ、そう……。こじらしたつていうのは、腹膜炎でも起したのかな」 「さあ、はつきりは伺わなかつたんですけれど、微熱がとれ....
安死術」より 著者:小酒井不木
って功徳になるか知れないではあるまいか。と、考えるのが常でありました。実際、急性腹膜炎などの患者の苦しみ方は、到底見るに堪えぬほど悲惨なものであります。寝台の上....
蜻蛉返り」より 著者:佐藤垢石
私は、呑んべえであるから、酒の肴にはいつも苦労する。うるか、惣太鰹の腸の叩き。まぐろのいすご、鱸の腹膜、このわた、からすみ、蜂の子、鮭の生卵、鰡の臍、岩魚の胃袋、河豚の白精など、....
雪の夜」より 著者:織田作之助
た留守には、客の前へ運んで行ったりした。やがて、照枝は流産した。それが切っ掛けで腹膜になり、大学病院へ入院した。手術後ぶらぶらしているうちに、胸へ来た。医者代が....
雪柳」より 著者:泉鏡花
」 「いずれ、運動不足や、そりゃようないに。が、けど何でもない事や。肋膜、肺炎、腹膜炎、神経痛、胸の病、腹、手足の病気、重い、軽い、それに応じて、施術の法があっ....
明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
十郎張りであるという好評で、やがては大立者となるべき鷹揚な芸風であったのを、急性腹膜炎のために四十七歳で死なせたのは残念であった。 わずか三月経たない間に、黙....
父の出郷」より 著者:葛西善蔵
ほとんど病床で暮した。妻の方でも、妻も長女も、ことに二女はこのごろやはり結核性の腹膜とかで入院騒ぎなどしていて、来る手紙も来る手紙もいいことはなかった。寺の裏の....