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腹蔵
「腹蔵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
腹蔵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「幽霊塔」より 著者:黒岩涙香
い、直ぐに調子を変えて「所で私へのお話とは何事です」と軽く問うた。
余は何事も
腹蔵なく打ち明け呉れと頼んで置いて、爾して何故に秀子へ恐ろしい嫌疑が掛かったかと....
「松の操美人の生埋」より 著者:三遊亭円朝
か御不服でもございましょうが、何が斯うすれば御意に入るとか、あゝすれば宜いとか御
腹蔵なく仰せ聞けられて、何うか結納|取交せの所を何分にも御承引下されたい訳で」 ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
せん」 J氏も深くは言わないで、用箪笥から鍵をとり出して私に渡してくれた。その
腹蔵のない態度にわたしは衷心から感謝し、また、わたしの希望に対して紳士的の許可を....
「無毛談」より 著者:坂口安吾
、家人の前で恋をさゝやく筈はない。チャラ/\と裏口で御用聞きと歓談する女中の方が
腹蔵ないかも知れない。無口、陰険、因果物の演技に巧なトン子さんは、人の知らないと....
「金銭無情」より 著者:坂口安吾
みせず、真剣敢闘、汗は流れ、呼吸は荒れ、たまに勝負の手があくと汗をふきふき誰彼と
腹蔵なく談論風発、隠し芸まであつて「浜辺の歌」だの「小さな喫茶店」などゝいふセン....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
ても何にもならないから、やわらかい方面から渡りをつけて、三名の選手を夕食に招じ、
腹蔵ない話をきいたのである。 甲はA級選手で二十三歳。たいがいのレースに本命又....
「街はふるさと」より 著者:坂口安吾
い。記代子はぼくに同席してくれと言いますが、ぼくは遠慮しますよ。どうぞ、御二人で
腹蔵なく話し合って下さい」 そして、記代子に、 「話がすんだら、知らせてね」 ....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
頭、三年前に行方不明をつたえられている中園ですね」 「さようです。夕月の女将には
腹蔵なく話しておいてくれましたので、さいわい知ることができましたが、その日の午ご....
「フランケンシュタイン」より 著者:シェリーメアリー・ウォルストンクラフト
「老人はちょっと黙っていたが、やがて話をつづけた、『あなたがもし、身の上の話を
腹蔵なくうちあけてくださるなら、ひょっとしたらわたしが、その人たちの誤解を解くの....
「二十一」より 著者:坂口安吾
もった根気のつづかない憎めない人というような印象を受けた。膝つき合せれば何事でも
腹蔵なく言い合えるような印象だったが、婆さんの依頼の用で会う気はなかった。ほった....
「註文帳」より 著者:泉鏡花
でございます、旦那にじゃあございません。」 「そうか、いや意気地の無い奴だ。」と
腹蔵の無い高笑。少禿天窓てらてらと、色づきの好い顔容、年配は五十五六、結城の襲衣....
「明治の文学の開拓者」より 著者:内田魯庵
て今日の隆盛を見なかったであろう。 文芸協会の成功は更に一層明白な事実である。
腹蔵なくいえば文芸協会の芝居がそれほど立派なものだとは思わぬ。少くも見物してそれ....
「審判」より 著者:カフカフランツ
するなら、造作なく振捨てることができるだろうということ、さらにティトレリはひどく
腹蔵のないこと、そればかりでなく、今は以前ほどではないがおしゃべりなこと、そして....
「五重塔」より 著者:幸田露伴
ろが欲しいゆえに、我欲は充分折って摧いて思案を凝らして来たものの、なお汝の了見も
腹蔵のないところを聞きたく、その上にまたどうともしようと、我も男児なりゃ汚い謀計....
「金山揷話」より 著者:大鹿卓
ストーブの燃えさかる座敷で噴火湾で獲れた鰯を肴に、よく飲みよく語った。殊に令兄は
腹蔵なくいろいろなことを話してくれた。酒のうえの事で気焔めいた趣もないではなかっ....