膂力[語句情報] » 膂力

「膂力〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

膂力の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
して、なるべく大きい岩を抱《だ》き起そうとした。が、手ごろな巌石のほかは、中でも膂力《りょりょく》の逞《たくま》しい五六人の若者たちでないと、容易に砂から離れな....
モルグ街の殺人事件」より 著者:佐々木直次郎
を解剖学的に、叙述的に、詳しく書いた記事であった。この動物の巨大な身長や、非常な膂力《りょりょく》と活動力や、凶猛な残忍性や、模倣性などは、すべての人によく知ら....
行人」より 著者:夏目漱石
に持っていればその方がきっと勝つ。勝つのは当り前さ。四十八手は人間の小刀細工だ。膂力《りょりょく》は自然の賜物《たまもの》だ。……」 兄はこういう風に、影を踏....
聖アレキセイ寺院の惨劇」より 著者:小栗虫太郎
際に何かの拍子で移ったのだよ。それからもう一つは、そう云う離業を演って退けられる膂力と習練を備えた人物が、現在この事件の登場人物のうちにあるからだ。三丈もある綱....
運命」より 著者:幸田露伴
を造り、及び擅に人を殺すを以て、勅を降して之を責め、兵を遣って執えしむ。湘王もと膂力ありて気を負う。曰く、吾聞く、前代の大臣の吏に下さるゝや、多く自ら引決すと。....
旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
のっしと現れたのは、鎮西の八郎が再来ではないかと思われる、六尺豊かの大兵漢です。膂力また衆に秀でていると見えて、ひと際すぐれた強力を満月に引きしぼりながら、気取....
菊模様皿山奇談」より 著者:三遊亭円朝
、あんた方親子二人がゝりで斬ると云っても、指でも附けさせるもんじゃアねえ、大けい膂力が有るが、御当家へ米搗奉公をしていて、私ア何も知んねえ在郷もんで、何の弁別も....
弟子」より 著者:中島敦
苦労人だなとすぐに子路は感じた。可笑《おか》しいことに、子路の誇《ほこ》る武芸や膂力《りょりょく》においてさえ孔子の方が上なのである。ただそれを平生《へいぜい》....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
、誰にも出来るというものではなかった。すなわち片手で自由自在に、大刀を揮うだけの膂力あるもの、そうして軽捷抜群の者と自ら定められているのであった。 で、もちろ....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
田山白雲は画家に似合わず屈強な体格であり、兼ねて武術のたしなみがあり、なかなかの膂力《りょりょく》があって、酒を飲んで興たけなわなる時は、神祇組《じんぎぐみ》で....
レ・ミゼラブル」より 著者:豊島与志雄
業婦の妾《めかけ》があったが、彼が逮捕さるるとき驚きのあまり死んだ。悪漢は異常な膂力《りょりょく》を有していて脱走することを得たが、脱走後三、四日にして、警察は....
南島譚」より 著者:中島敦
ばした揚句《あげく》、丸裸に引剥いて了《しま》った。エビルは腕も脚も飽く迄太く、膂力《りょりょく》に秀でた女だったのである。エビルの多情は衆人周知の事実だったに....
坑鬼」より 著者:大阪圭吉
全く予期しない出来事にぶつかってしまった。 囮になった浅川監督は、人一倍優れた膂力を持っていたし、その上武器も持っていれば、張り切った警戒力も備えていた筈であ....
馬琴の小説とその当時の実社会」より 著者:幸田露伴
居りました。で、八犬士でも為朝でもそれらを否定せぬ様子を現わして居ります。武術や膂力の尊崇された時代であります。で、八犬士や為朝は無論それら武徳の権化のようにな....
釘抜藤吉捕物覚書」より 著者:林不忘
んと指を鳴らす――その間の出来事だったに相違ない。 が、それにしても、あんなに膂力《りょりょく》すぐれた大石武右衛門が、こんなに簡単に殺されるなどということが....