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膚
「膚〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
膚の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
ら、往来の砂の中へ、斜めにのばした二の腕には、水気《すいき》を持った、土け色の皮
膚に、鋭い齒の跡が三《み》つ四《よ》つ、紫がかって残っている。が、女は、じっと目....
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
き》が何度となく上をこすっても、脂気《あぶらけ》の抜けた、小皺《こじわ》の多い皮
膚からは、垢というほどの垢も出て来ない。それがふと秋らしい寂しい気を起させたので....
「河童」より 著者:芥川竜之介
若いチャックの皿などとは全然手ざわりも違うのです。しかし一番不思議なのは河童の皮
膚の色のことでしょう。河童は我々人間のように一定の皮
膚の色を持っていません。なん....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
の容色が、衰えていると云う事だった。実際今の袈裟は、もう三年前の袈裟ではない。皮
膚は一体に光沢《つや》を失って、目のまわりにはうす黒く暈《かさ》のようなものが輪....
「子供の病気」より 著者:芥川竜之介
》にただ抛《ほう》りこんであった。何だかその匂《におい》や褐色の花粉がべたべた皮
膚《ひふ》にくっつきそうな気がした。
多加志はたった一晩のうちに、すっかり眼が....
「蜃気楼」より 著者:芥川竜之介
みぐさ》や汐木《しおぎ》の匂《におい》らしかった。僕はなぜかこの匂を鼻の外にも皮
膚の上に感じた。
僕等は暫《しばら》く浪打ち際に立ち、浪がしらの仄《ほのめ》く....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
もう一人の支那人、――鴉片《あへん》の中毒に罹《かか》っているらしい、鉛色の皮
膚《ひふ》をした男は、少しも怯《ひる》まずに返答した。
「しかしお前たちが通って....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
衛門は、その首を手にとって、下から検使の役人に見せた。頬骨《ほおぼね》の高い、皮
膚の黄ばんだ、いたいたしい首である。眼は勿論つぶっていない。
検使は、これを見....
「槍が岳に登った記」より 著者:芥川竜之介
なる。目の前には高い山がそびえている。高い山といっても平凡な、高い山ではない。山
膚《やまはだ》は白っちゃけた灰色である。その灰色に縦横の皺《しわ》があって、くぼ....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
りこんだ。それから鏡台の前へ行き、じっと鏡に僕の顔を映した。鏡に映った僕の顔は皮
膚の下の骨組みを露わしていた。蛆はこう云う僕の記憶に忽ちはっきり浮び出した。 ....
「格さんと食慾」より 著者:芥川竜之介
肉はほんのりと赤い所どころに白い脂肪を交えている。が、ちょっと裏返して見ると、鳥
膚になった頬の皮はもじゃもじゃした揉み上げを残している。――と云う空想をしたこと....
「久保田万太郎氏」より 著者:芥川竜之介
淡彩画なり。更に又久保田君の生活を見れば、――僕は久保田君の生活を知ること、最も
膚浅なる一人ならん。然れども君の微笑のうちには全生活を感ずることなきにあらず。微....
「初雪」より 著者:秋田滋
がっている火は顔を焦すほど熱かったが、氷のような風が、背中へはいって来て、それが
膚と着物との間を分け入ってゆくような気がした。彼女のからだは、脳天から足の先まで....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
て三四ヶ月の分とて三十円、母が縫いて与えられし腹帯と見ゆる鬱金木綿の胴巻に入れて
膚にしっかと着けたり。学校の教師朋友などが送別の意を表して墨画の蘭竹または詩など....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
を一鉢|賭けた。当然それは彼のものになるところだった。デアデヴィルは化け物馬を完
膚ないまでやっつけたのだ。ところが、ちょうど彼らがこの教会の橋まできたとき、ヘッ....